※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20191018:ポジティブフレーミングのダークサイドを考える

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、論文アブストラクトのレビューではありません。

 

私が組織再社会化研究プロアクティブ行動という分野に関心があることはこれまでの投稿でお伝えしてきました。

今日はプロアクティブ行動という概念の中から、「ポジティブフレーミング」というものを取り上げ、そのダークサイドを考えてみたいと思います。

 

 ▼

 

プロアクティブ行動の「プロアクティブ」は「pro-active」ですので、「先に―動く」といったイメージです。

学術的には「先見的で、未来志向で、自律的な」といった言葉を目にすることもありますが、シンプルに「主体的な行動」ぐらいの理解で十分だと思います。

 

組織社会化研究の中で多くの研究蓄積があり、いくつか異なったバージョンがあるプロアクティブ行動ですが、

もっとも多くの研究で使われているものはAshford & Black(1996)によるものです。

Ashford & Black(1996)によるプロアクティブ行動は下記の4つです。

・意味形成(情報探索、フィードバック探索)

・関係性構築

・職務変更交渉

・ポジティブフレーミング

 

今日取り上げるのはポジティブフレーミングです。

ポジティブフレーミングは、

日本語にすると「ものごとを肯定的に捉えること」というとわかりやすいと思います。

 

例えば、

上司から嘘みたいに大量な仕事を頼まれたときに、

それを「乗り越えられない障害」と捉えるのか

あるいは「成長・ステップアップする好機」と捉えるのか

後者がポジティブフレーミングです。

何かしらの困難に直面したとき、それを肯定的に捉え挑戦していくのがポジティブフレーミング的な振る舞いです。

 

皆さんはポジティブフレーマーですか?

 

 ▼

 

一見して、

ポジティブフレーミングは文字通り肯定的で歓迎すべき行動のように思えます。

実際、一緒に働く人や部下がポジティブフレーミングのできる人間であれば同僚や上司は助かるに違いありません。

また、本人にとっても、困難な仕事に主体的に取り組み、それを乗り越えていくことで成長し、周りから高い評価を得るかもしれません。

 

しかし、

一方でこう思ってしまう私がいる。

「あれ、ブラック感が漂ってない?」

 

例えば、

上司:この仕事は全社的にも重要なんだ。作業も多いし、ミスも許されないけど頼むよ。期待しているから。

部下:はい!(よし、大変な仕事だけど、これを乗り越えたら自分を成長させることができるぞ。頑張ろう!)←今月残業100時間

というケース。

 

これ、けっこうあるあるだと思うんですよね。

むしろ、

強いブラック企業はたいていこういったダークなポジティブフレーミングがうまく機能しているのではないでしょうか?

ある種洗脳に近い部分があると思います。

このように、ポジティブフレーミングは主体的に仕事に取り組むことにつながる半面で、自分を追い詰めすぎてしまう可能性や組織にそういったマインドを利用されてしまう可能性があるのではないでしょうか。

 

 ▼

 

今日はプロアクティブ行動のひとつであるポジティブフレーミングについて、そのダークサイドの可能性について考えてみました。

実は、Cooper-Thomas & Burke(2012)が指摘しているように、ポジティブフレーミングは組織社会化への効果性が指摘されている一方で、研究の数が不足しています。

組織社会化研究はそのほとんどが組織にとってハッピーな結果を見つけるためのものがほとんどです。

ただ、今回指摘したように組織社会化の概念の中には、ある種悪用された時の「怖さ」を秘めたものもあります。

私は、ポジティブフレーミングは特にその可能性が高いと思っていたので、今回ご紹介しました。

ポジティブフレーミングはこういったダークサイドからの研究をすると面白い結果が出てくるかもしれません。

 

あなたの組織ではポジティブフレーミングがありますか?

また、そのポジティブフレーミングには「ブラック感」が漂っていませんか?

 

【文献リスト】

Ashford, S. J., & Black, J. S. (1996). Proactivity during organizational entry: The role of desire for control. Journal of Applied Psychology, 81(2), 199-214

Helena D. Cooper-Thomas and Sarah E. Burke (2012) Newcomer Proactive Behavior: Can There Be Too Much of a Good Thing?

  Connie R. Wanberg (ed.) The Oxford Handbook of Organizational Socialization. Oxford University Press. pp.56-77

 

 ▼

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20191010

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、いつもの論文アブストラクトのレビューではありません。

 

私は中途採用者の定着・育成を扱う「組織再社会化研究」に関心があり、またその領域に加えて、個人の先取り的で主体的な行動を指す「プロアクティブ行動」という分野を掛け合わせたいと思っています。(願望)

 

組織再社会化とプロアクティブ行動を掛け合わせた研究は非常に少ないですが(そもそも組織再社会化研究の蓄積がアホほど少ないので)、実はそのそもの組織社会化研究ではプロアクティブ行動が使われることは非常に多いです。

(それは、「主体的に動く人間は組織に適応(馴染む)のも早いのでは?うまいのでは?」というメタイメージがあるからだと思います。)

 

そんなわけで、

・組織再社会化(組織社会化も含む)

・プロアクティブ行動

といったキーワードで引っかかってくる色々な論文を読むことが増えています。

 

 ▼

 

ただ、

読んだ論文、いわゆる先行研究がうまいこと自分の中に蓄積していかない、うまく生かせそうにない、という感覚になることが多々あります。

このような苦しみは先行研究のレビューでは不可避なことだとわかっているのですが、やはり悩む。。。

 

これまで、

Excelを使って読んだ論文の情報やアブストラクトの日本語訳を表にまとめていました。

ただ、

元々重要だと事前にある程度わかっているような論文を除けば、100本読んでも使えそうな論文は1~2本なので、表にまとめていてもけっこう精神的なストレスになります。また、表にまとめることが目的化するおそれもあります。

表に記録はするとしても、蓄積&活用により有効な先行研究レビュー方法はないかと思案していました。。。

 

 ▼

 

そんな中、今日素晴らしいやり方を教えていただきました!

(と言っても、人が人に教えているところを横から勝手に見ていたのですが、、、)

 

実は、

今日は午前中、立教大学の中原ゼミに参加していたのですが、

ゼミ終了後に立教大学助教の田中聡さんがM1の加藤さんに先行研究レビューの方法について、田中さんご自身のやり方を教えておられたので、便乗して横で一緒に聞いていました。

 

その方法はとてもシンブルで、

・研究はデータで保存のうえ、しっかり読む論文は紙出力する

・読んだ中で重要なポイントは論文の表紙1枚のうえにメモ書きでまとめてしまう

というものです。

 

このようにすることで、

論文を手に取って表紙を見ただけでその論文の中で明らかにされていることがわかります。

 

これにより、

「あれ、この論文なんか使えそうなこと書いてあったな(パラパラ)、どこだっけ?(ジロジロ)」

という時間と手間がなくなります。

これには、「なるほど!」と思いました。

いやぁ~、目から鱗が落ちるどころか、目から尾ひれ背びれ胸びれを落としたくなりました。

 

なので、

帰りの電車で読んでいた論文を使い、家に戻って早速実践しました。

 

これは良いです。

汚い字や略語ばかりなのですが、私自身にはこの論文の構造と結果がだいたいわかります。

これで、またいちいちアブストラクトやディスカッションを繰り返し読む手間がなくなります。

もちろん、実際に引用などする場合には再度細かく読む必要がありますが、少なくとも「使えるか、使えないか」といった「あてをつける」ことができるようになりました。

 

このやり方を使って、まずは自分のやりたい研究にとってクリティカルな論文を再読含め読みながら表紙まとめしていきたいと思います!

田中さん、ありがとうございます!

(本日ゼミ内で発表いただいた内容も大変参考になりました。ありがとうございます。)

 

加えて、

前期の途中から私を中原ゼミに連れていってくださった中原研OB&ラーンウェル関根さんと、ゼミ運営をされている辻さんのはからいにより、後期のゼミにフルで参加させていただけることになりました。ありがとうございます!

もちろん、その分私自身の発表も頑張ります。

 

 ▼

 

今日は、【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】番外編として、

先行研究レビューの方法について立教大学の田中さんからお教えいただいた方法を実践し、タイムリーにお伝えしました。

(というより、ほんとうに僕の個人的なメモですね、すみません、そしてありがとうございます)

 

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【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

そして、プラスして行動③です。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190925

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日も【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、今回は昨日のつづきです。

昨日の投稿ではいつもの英語文献のアブストラクトレビューではなく、「組織社会化」についてその定義を改めて確認し、「組織再社会化」についてもお話しました。

 

ポイントとしては、

これまでの「新卒一括採用」「終身雇用」という枠組みが以前ほどの力を失っている現代、そして将来にかけて、これまでの「学校から企業へ」という日本における組織社会化モデルが唯一のメインストリームではなくなるということ。

そして、雇用の流動化や事業の変化などが進む中で、「役割から別の役割へ」(組織内組織再社会化)あるいは「組織から別の組織へ」(組織間組織再社会化)という二つの側面を持つ「組織再社会化」がより重要になっていくということ。

昨日は、この二つの「組織再社会化」が重要になってくるとだけお伝えして、その理由は書きませんでした。

なので、今日はその理由をお伝えしたいと思います。

 

 ▼

 

順番で言うと逆になってしまいますが、

まずは「組織間組織再社会化」についてです。

こちらの組織再社会化が重要になってくるのはものすごく単純です。

それは、「雇用の流動化」です。

もっとわかりやすく言えば「転職が増えている」あるいは「転職が普通のことになる」からです。

これまでの日本企業(特に大手企業)では、「新卒一括採用」によって若い人をがばっと採って、その後は「終身雇用」を前提とした長期の育成によって新人さんを自社色に染め、またジョブローテーションによって社内の酸いも甘いも知った人材を育て上げてきました。

ひと昔前は、新卒で入った会社に定年まで居続けるという考え方が強く残っていました。

しかし、状況は変わり、転職も普通のキャリア選択になりました。

それには様々な理由が考えられます。

例えば、人材不足のため新卒だけでなく中途採用も超売り手市場、大手企業だからと言って一生安泰とは限らない、給料よりも働きがいのある会社で働きたい、自分のやりたいことをしたいから起業する、複業という新しい働き方、などなど。

通年採用を始める企業も増えてきました。

今後も雇用の流動化は進行していくと思われます。

 

転職が増える中で問題となるのが「中途慣れ」の問題です。これまで新卒採用を基本的な人材採用手段としてきた企業では、中途は人手不足に対応するための即戦力であり、あくまで将来的に会社を背負って立つのは新卒の中からという考え方を持っている会社が多くあります。「中途採用者=即戦力」というイメージが定着しており、中途採用者には特別ケアの必要はないと考えられている場合があります。そのような会社の状態を「中途慣れしていない」と言います。

中途慣れしていない組織では、中途採用者が抱えやすい課題やそれに対する適切な対応をとることや、そのような風土がないため、中途採用者が入ってもすぐにやめてしまうという組織課題が生じる可能性があります。

 

そこで、重要になってくるのが「組織間組織再社会化」です。

つまり、ある組織(企業)から別の組織(企業)へ転職した際に、その企業が中途慣れに課題を抱えていると早期退職につながりかねず、また企業としてもせっかく高い紹介料を払って入社した中途採用者が辞めてしまうというような事態に陥りかねません。

「組織間組織再社会化」は、ある組織から別の組織へと移った人がどのように新しい組織に適応していくのか、その時個人や組織はどのようなことを行えば組織適応をより促進することができるのかということを扱います。

 

そのため、雇用の流動化がますます進んでいく中で「組織間組織再社会化」はより重要になってくると思われます。

 

 ▼

 

次は、「組織内組織再社会化」です。

「組織内組織再社会化」について、中原淳著『経営学習論 人材育成を科学する』は次のように説明しています。

 

個人は組織から新しく要求される欲求―例えば、これまでとは大きく異なる、知識、役割、技能、文化などを新たに習得することの養成―に基づき、再学習を積み重ね、組織の変化や環境の変化に適応しなくてはならない。このプロセスにおける学習を、今、仮に「組織内組織再社会化」とよぼう。

 

現代は非常に変化が激しく、またその変化の早い時代です。

自ら転職などで組織を変えなくても、所属している組織の事業変化や市場環境の変化によって、それまでとは異なる役割を求められる可能性があります。

要求される役割が変われば、そこで求められる業務のやり方や知識、スキルなども大きく変わってくるでしょう。

組織内の変化であっても、事業変化等の組織の変化は個人にとっても大きな変化となっており、改めて社会化する必要があるか、あるいはそのほうがより良く変化に対応できる可能性があります。

 

VUCAの時代と呼ばれる現代では、今後もハイスピードで激しい変化に多くの組織や個人がさらされていくことになると思われます。

そのため、この「組織内組織再社会化」もより重要になってくるのではないでしょうか。

 

 ▼

 

今日は昨日の投稿の続編として、「組織内組織再社会化」と「組織間組織再社会化」について、その高まる重要性をお伝えしました。

まとめると、下記のようになります。

・「組織内組織再社会化」が重要なのは、変化が激しい時代だから

・「組織間組織再社会化」が重要なのは、雇用の流動化が進むから

 

「組織社会化」や「組織再社会化」は、採用・育成する側の企業サイドにはもちろんのこと、組織に適応しようとする個人にとっても有用な知見が多くあると思います。しかし、その割にはそれを個人に伝えるような機会は少ない気がしております。今後はそういった知見に基づいたアドバイスやノウハウが広く共有されていけばいいなと思います。

この【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】もその一助になればと思っています。

 

 ▼

 

ちなみに、この話は基本的に、中原淳著『経営学習論 人材育成を科学する』第6章の内容を参考にしているので、より詳細に知りたい方はそちらをご覧くださいませ。

[中原淳]の経営学習論

 

 ▼

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190924

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

いつもは組織社会化や組織再社会化に関わる英語文献のアブストラクトを翻訳し、それについてメモを残しています。

 

しかし、今日は少し違います。

今日は、改めて「組織社会化とは何か」、そして「組織再社会化」について少し書きたいと思います。

ちょうど、ある会のための資料作成で、中原淳著『経営学習論 人材育成を科学する』を再読(再々々々読?)していたので、短いですがその内容をちょっぴり共有させていただこうと思いました。ちなみに、内容は明日に続きます。

 

 ▼

 

まず、「組織再社会化」について書く前に「組織社会化」について書かねばなりません。

私はよく、組織社会化は「組織に入った人がその組織に適応すること、あるいはその過程」、一言で言うなら「適応」と言ってしまいます。

 

ただ、念のため正式に研究としてどのような定義が使われているのかを確認しますと、、、

 

日本語文献でよく使われる組織社会化の定義は高橋弘司(1993)の次のような定義です。

「組織への参入者が組織の一員となるために、組織の規範・価値・行動様式を受け入れ、職務遂行に必要な技能を習得し、組織に適応していく過程」

 

そして、英語文献ですと次ようなものがあります。

「個人が、組織内における役割を受容し、組織構成員として参加するために必須の価値観・能力・期待された行動・知識を正しく認知する過程」(Louis 1980)

 

 ▼

 

そして、

日本は「新卒一括採用」「終身雇用」という構造が、(特に大手企業を中心に)メインストリームであり続けたため、

「組織社会化」と言うとき、その背景には「学校(教育機関)から企業(組織)」へという想定があります。そのため、日本での組織社会化研究の多くは、「学生から社会人へ」という枠組みの中で行われてきました。

 

しかし、雇用の流動化、人材の多様化、外部環境変化による事業変化などの近年の傾向を反映して、人は学校を出た後ひとつの同質的な組織に留まり続けるという想定は以前ほどの力を持たなくなってきています。

 

ここにおいて、「組織再社会化」が登場します。

これまでの「組織社会化」は「学校から企業へ」という枠組みの中で語られてきました。

しかし、「組織再社会化」は「役割から別の役割へ」あるいは「組織から別の組織へ」という枠組みで語ることになります。

 

 ▼

 

組織再社会化について、

「役割から別の役割へ」と「組織から別の組織へ」という二つの表現を使いました。

これには、ちゃんとした理由があります。

 

というのも、

「組織再社会化」には「組織内組織再社会化」と「組織間組織再社会化」の二つの文脈が存在しているためです。

 

そして、この二つの「組織再社会化」ですが、近年その両方が組織にとってとても重要な概念になってきていると感じています。

 

なんでその二つが両方とも重要になってきていると思うかについてですが、、、

すみません、それについては明日の投稿に回させていただきます。

申し訳ありません。

 

 ▼

 

今日は「組織社会化」の概念、そして「組織再社会化」の2種類について少し書きました。

今日書いた内容をまとめると下記の3つになります。

・「組織社会化」は一言で言うと「適応」

・日本で「組織社会化」と言えば、「学校から企業へ」という想定があった

・「組織再社会化」には2つの種類があり、どちらも最近重要になってきている

 

明日の投稿では、「組織再社会化」の2種類について、その概要と「なぜ今重要なのか」ということについて書きたいと思っています。

 

ちなみに、この話は基本的に、中原淳著『経営学習論 人材育成を科学する』第6章の内容を参考にしているので、より詳細に知りたい方はそちらをご覧くださいませ。(今、Amazonのページを見て、キンドルの方が結構安くてびっくりしました。僕はすでに紙で持っているし、そもそも紙派ですが、、、)

[中原淳]の経営学習論

 

 ▼

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190918

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

 

今回も自分が特に興味のある研究分野である組織社会化に関する論文を読んで、そのメモをしようと思います。

論文のアブストラクト(要旨)を読んでメモしていきます。

※引用部分の私の日本語訳が下手くそなのはご容赦ください(・・;)

 

 

【タイトル】

The Effects of Strong Ties on Socialization

 

【著者】

Colton Alan Burgess

 

【出典】

 

【メモ】

新人を好ましく社会化する組織は、より高い職務パフォーマンスや職務満足、コミットメントを持つ従業員たちから成る効果的な労働力から利益を得る。社会的エージェントとして知られる組織の内部者は新人の社会化を促す際に重要な役割を果たし、これらの個々人(内部者)は新人が使うネットワークを作り上げる。どんな方法で社会的エージェントが新人の同化を助けるのかをより良く理解するために、個々人の間の絆の強さがどのように社会化プロセスを促進するのかということに関して、より徹底した理解が必要である。

・新人を好ましく社会化する組織と言うときの「好ましく」が、いわゆる会社色に染めるという意味での「好ましく」なのであれば、まさしく組織社会化論的ではあるのだが、一方でそればその下の文章にある「効果的な労働力」に結びつくのかどうかはわからない気がする。もし「効果的な労働力」というのが「経営に資する」「利益を上げる」というような意味合いでとるのであれば、ここでの好ましい社会化が効果的な労働力たり得るのかは正直よくわからない。そうあってほしいとも思うが、組織の業種、商品、時代などのさまざまな要素でその効果性は変わり、またマイナスに作用することもあるのだろうなということも思ったりする。

・この論文は新人を組織へといざない、社会化あるいは同化を促す社会的エージェント(social agent)との間の関係性=強い絆を取り上げている。

※この論文で言及される社会的エージェントは、この手の研究でよく扱われる社会化エージェントと同じものを指すと思われる。

 

・・・

 

この論文には二つの目的がある。第一に、強い絆を開発する二つのタイプの先行要因が探求される。一つ目は新人と社会的エージェントとの間の相互作用を促すための組織によって実施される導入研修、そして二つ目は強い関係性を促すために社会的エージェントに対し新人が示すプロアクティブ行動である。この論文の二つ目の目的は、強い絆がどのように直接的問いかけとして知られてもいる社会的エージェントに情報を求めることの新人の頻繁さに影響を与えるのかということを考察することである。先行研究は、高い頻度の直接的問いかけは社会化結果に正の影響を与えているということを示唆している(例えば、Morrison, 1993b)。両方の目的を果たすことは、新人の情報探索のパターンを研究するための新たな視点をもたらすだろう。

・目的①新人&社会的エージェントの「強い絆」の先行要因

 →予想する先行要因①導入研修(組織側からのアプローチ)

 →予想する先行要因②プロアクティブ行動(新人側からのアプローチ)

・目的②強い絆→新人による情報探索頻度への影響

 

・・・

 

強い絆の先行要因と新人の直接的問いかけの頻度における強い絆の効果に関する仮説を検証するために、勤続6ヵ月~1年のフルタイム従業員からデータを集めた。合計154個の回答が集められ、回帰分析は変数との間の関係を統計的に検証するために使われた。結果は、提案された強い絆の先行要因を支持しなかった。

・上記目的①について、予想された二つの先行要因は強い絆の先行要因として支持されなかった。導入研修やプロアクティブ行動は一般的に組織社会化結果に正に関連している=効果があるとされていることから、今回強い絆の先行要因候補として選定されたと思われる。しかし、結果としてそれらが新人と社会的エージェントとの強い絆に有意に影響を与えないとわかったのは興味深い点である。

 

・・・

 

結果は、絆の強さの異なる指標と新人の直接的問いかけの頻度との間の関係に現れる。したがってそれは、絆の強さが情報探索に影響を与えるという仮定を部分的に支持する。

調査での発見は、直接的問いかけの頻度は新人の職務パフォーマンスの面に正の影響を与えるが、職務満足や組織コミットメントには影響を与えないということを示唆している。

・絆の強さが異なるときに問いかけ頻度が異なることから、絆の強さと新人の情報探索との間に影響関係があると主張。まあ、確かに関係性が深くなればわからないことがあったときに質問しやすくなるのは感覚的に理解できる。

 

・・・

 

※あくまでアブストラクトだけを読んで書いているので、不確実なところも多いと思いますのであしからず。

 

 

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例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

今後も論文のアブストラクトを多読し、自分の関心や研究したいことに近い内容の論文や知見を探していきたいと思います。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190916

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

 

今回も自分が特に興味のある研究分野である組織社会化に関する論文を読んで、そのメモをしようと思います。

論文のアブストラクト(要旨)を読んでメモしていきます。

※引用部分の私の日本語訳が下手くそなのはご容赦ください(・・;)

 

 

【タイトル】

Organizational socialization of newcomers:A longitudinal study of organizational enculturation processes and outcomes

 

【著者】

Star Soh,M.A.

 

【出典】

 

【メモ】

組織社会化についての先行研究は、業務熟達や役割の明確化、役割適応、職務満足、組織コミットメント、そして離職率のような結果に注目してきたが、組織的な信念や価値観の内在化の研究はされてこなかった。組織社会化の小領域である組織的文化化は組織の文化の学習として広く定義されうる。しかしながら、組織文化化は単なる文化的知識の獲得ではなく、所属員が重要な組織的信念や価値観を彼/彼女の自己概念として受容する(あるいは受容しない)プロセスを含む。既存の理論はばらばらで、まとまっておらず、実証的な研究はほとんどない。

・業務熟達、役割の明確化、役割適応、職務満足、組織コミットメント、離職率は組織社会化研究の論文でよく目にする社会化結果の尺度。改めて見ると、これらは組織の視点から見て、業務の効率性向上や組織・チームの維持について、短-中期的に寄与するような項目に見えなくもない。それに比べると、「組織的な信念や価値観の内在化」は中-長期的な視点に立っているように見える。

・「所属員が重要な組織的信念や価値観を彼/彼女の自己概念として受容する」に「彼/彼女の自己概念」とあるように、それは一般的な知識獲得ではない。むしろ、組織の考え方と自分の考え方を一致させていく過程か?ただ、組織の多様性がますます増していく今後を考えたとき、その是非は分かれるところだと思う。

 

・・・

 

この論文の目的は、組織的文化化のための枠組みを提案し、いくつかの重要な要素とそれらの中の関係性をを考察する研究を示すことである。具体的には、二つの縦断的フィールド研究は、量的調査法を使い、集合主義を強調する強力で同質的な文化を持つシンガポール軍の718名の新人(徴集兵)に対し、入隊から8週間の間の認識や信念や価値観の変化を考察した。

・海外の社会化研究では、ときどき軍人を対象にした調査が使われているのを見かける。調査への協力を得やすいとかの理由があったりするのだろうか?

・入隊からわずか8週間での変化を調査対象としている。この研究は信念や価値観の変化・受容なので、8週間というのは短すぎないか?と思った。それこそ、冒頭で否定していたような文化的な知識の獲得というものであればわからないでもないが、、、

 

・・・

 

得られた結果は、組織的文化の新人による認識は第1週から第8週の間の内部者(彼らの上官)の人々とより近しい状態になっていた。新人の自己概念に関係する集合主義的信念や価値観には全く変化が見られなかった。彼らの集合主義のスコアは二つのデータ収集点で比較的安定していた。しかしながら、第1週から第8週の間に個人的レベルで生じる集合主義における変化は仮説化された構成要素のいくつかとシステム的かつ正に関係していた。

・組織的文化へ対する認識は変化が見られたが、自己概念としての信念や価値観については変化が観測されなかった。つまり、認識と信念及び価値観のような自己概念との間に大きな隔たりがあるということか。その点については予想通りな気もするが、調査対象が8週間の変化でなく、何カ月、何年というスパンであったならどうかというのは気になるところ。

 

・・・

 

肯定的な経験を持つと報告した新人と専門的な組織(集合主義)文化行動(上司の特徴的なリーダーシップ行動によって調整された存在)は、彼らの最初のレベルを制御したうえで彼らの集合主義に増加が見られた。また、組織的文化と合致する信念や価値観と関わる自己概念を持つことは、個人―組織適合の認識に直接関係しており、組織コミットメントと低ストレス、そして業務パフォーマンスと間接的に関係していた。

・肯定的な経験が組織的文化への適応を進める可能性が示唆されているのは興味深い。実践的に言えば、仕事で何らかの成功体験を持つことはその組織への適応を促すと考えられる。新人や部下により組織へのコミットメントを高めてもらうために、仕事での肯定的体験(成功体験)を持たせることが重要になる。注意しなければならないのは、本人が経験したと感じられるようにすること。

 

・・・

 

※あくまでアブストラクトだけを読んで書いているので、不確実なところも多いと思いますのであしからず。

 

 

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行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

今後も論文のアブストラクトを多読し、自分の関心や研究したいことに近い内容の論文や知見を探していきたいと思います。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190913

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190913

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

 

今回も自分が特に興味のある研究分野である組織社会化に関する論文を読んで、そのメモをしようと思います。

論文のアブストラクト(要旨)を読んでメモしていきます。

※引用部分の私の日本語訳が下手くそなのはご容赦ください(・・;)

 

 

【タイトル】

Newcomer Socialization and Stress: Formal Peer Relationships as a Source of Support

 

【著者】

Tammy D.Allem, Stacy E.McManus, Joyce E.A.Russel

 

【出典】

Journal of Vocational Behavior(1999),54,453–470

 

【メモ】

この研究は、学部生の環境の中での正式なピアの建設的な関係について考察する。特に、より経験豊富なピアによってもたらされる短期間のメンタリングと社会化の複数の側面、そしてストレスとの間の関係を考察する。データは、2年次のMBA学生メンターが正式に割り当てられたチームで働く初年度のMBA学生から得られた。

・1年先輩のMBA学生が、MBA1年生に対してメンターとして働きかけ、その社会化結果やストレスとの関係性を考察する。

・ここでのピア(peer)は、いわゆるチューターやティーチングアシスタントに近い立ち位置か?

・加えて、「短期間」というのも気になるところ。その期間や内容。

・一般的に社会化研究では、企業組織に所属する人を調査対象にするので、個人の組織への適応=社会化という枠組みが基本だが、この研究はそれらとは異なる。最後の文章から推察するかぎり、MBA1年生から成るチームを組織として考え、その中での適応を社会化結果として考えている?その場合、既存組織への適応(染まる)を問う社会化研究とは異なり、「チームワーク」的な視点で個人の行動を評価するアプローチなのか?

 

・・・

 

結果は、ピアによってもたらされる心理的メンタリングは政治やパフォーマンスに関する社会化の側面に正に関連しており、キャリアに関わるメンタリングは組織のメンバーとの満足な関係性を構築する社会化の側面に正に関連していた。

・キャリアに関わるメンタリングが、対メンバーでの関係性構築に効果的と言うのは興味深い。あまり、そのつながりは容易には想像できない。自分のキャリアを深く考えるようになる→→→キャリアを良いものにしていくためには周り人たちとうまくやっていくことが重要だ→→→メンバーたちと良い関係性を構築しよう・・・的な?

 

・・・

 

両方のメンタリング機能は、回答者たちが自分のメンターがもたらすと思われるところのストレスに対応するための援助の総量に正に関連していた。

???

両方のメンタリング機能(おそらく心理的メンタリングとキャリア的メンタリング)は、メンターから受けるストレスに対応するのに効果あり?

よくわからんようでわからないでもないが、わからん。

つまるところ、メンターはメンティーに対して、「ストレスを運ぶ存在でもありながら、そのストレスへの対応を支援する存在でもある」ということ?

(私の読み間違いの可能性ありですなぁ)

 

・・・

 

調査結果は、より経験豊富なピアが新人をメンタリングしたり社会化を向上させる際に提供しうる価値ある役割を強調している。

・全体として、この研究はMBA先輩ピアによるMBA1年生へのメンタリングの効果、価値を肯定する結果を示している。

 

・MBAの1年違いの先輩と後輩との間でのメンタリングを研究し、その効果を示した研究は、例えば企業組織でも、入社2年目と新入社員が協働する際に、先輩社員によるメンタリングが新人に好影響を与える可能性も示唆するかもしれない。その場合、メンター側の先輩についてもそれが成長機会となっているのかも重要なポイントだと思います。

 

・・・

 

※あくまでアブストラクトだけを読んで書いているので、不確実なところも多いと思いますのであしからず。

 

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

今後も論文のアブストラクトを多読し、自分の関心や研究したいことに近い内容の論文や知見を探していきたいと思います。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190911

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190911

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

 

今回も自分が特に興味のある研究分野である組織社会化に関する論文を読んで、そのメモをしようと思います。

論文のアブストラクト(要旨)を読んでメモしていきます。

※引用部分の私の日本語訳が下手くそなのはご容赦ください(・・;)

 

 

【タイトル】

Socialization and organizational outcomes of information technology professionals

 

【著者】

Ruth C.King, James Campbell Quick, Vikram Sethi

 

【出典】

Career Development International(2005)Vol.10(1),26-51

 

【メモ】

この研究は、6つの制度化された社会化戦術がどのように知識労働者の特定の職種に影響を与えるかを考察する。情報技術(IT)の専門職の役割適応(役割葛藤と役割の不明瞭さ)と、組織への愛着に関する変数(職務満足、感情的コミットメント、継続コミットメント、そして離職意思)

社会化戦術とその効果性についての研究は多い印象があるが、職種を限定しているところがこの研究の特徴

効果(影響)として測定するのは、

業務面としての「役割適応」、精神面では「愛着の程度」

 

IT人材は、あらゆる職種の中でもかなりスキルがポータブルであり、需要の高い職種であることからも、比較的離職も容易だと思います。そのため、人材確保のためにも組織への適応を促すことは重要です。また、IT人材に会社への愛着を持ってもらうということには結構苦労されている企業が多いように推測します。

 

加えて、最近は非IT系の企業がビックデータ関係やAI関係で新たに文化の違うIT人材を雇用し始めるケースが増えてきているので、そういった組織にとっても本論文のようなIT専門職にフォーカスした社会化研究は参考となるかもしれません。

 

・・・

 

研究のモデルと仮説は、雇われたばかりのIT専門職187名から得られた調査データを使ったパス分析技術により検証された。

 

・・・

 

得られた結果は、6つの社会化戦術がIT専門職に影響を与えていたということを示した。従業員の価値観やスキルを評価したり(付与戦術)、対人関係やメンタリングの側面を強調する社会化戦術は、従業員の役割適応と組織への愛着に最も明確な影響を持っていた。また、社会化戦術と役割適応と組織への愛着の変数との間の複雑な媒介関係の存在も明らかになった。

全体として、社会化戦術の効果性は確認された。

もともと、一般的に社会化効果が確認されているような戦術が、IT人材においても効果が確認された。

 

特に、評価付与やコミュニケーション関係の社会化戦術が特に効果的だった。

評価付与は、例えば、自分が役割を果たしているかどうかということは自分自身で確認することは難しく、むしろ役割をこなせていないのではないかというような不安な感覚になることも多いので、そこをしっかりと評価というかたちで明確化してあげること自体が、彼らの役割適応を促すものと思います。

「私は役に立っているんだろうか?」「上司や同僚は私にどんな役割を求めているのだろうか?」といった不安が、評価付与によって解消されたり安心を与えられるので、役割適応だけでなく、会社への愛着を養うことにもつながるのかもしれないですね。

 

・・・

 

※あくまでアブストラクトだけを読んで書いているので、不確実なところも多いと思いますのであしからず。

 

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

今後も論文のアブストラクトを多読し、自分の関心や研究したいことに近い内容の論文や知見を探していきたいと思います。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190910

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20190910

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】です。

前回が7月下旬だったので、だいぶ久しぶりです。

 

今回も自分が特に興味のある研究分野である組織社会化に関する論文を読んで、そのメモをしようと思います。

論文のアブストラクト(要旨)を読んでメモしていきます。

※引用部分の私の日本語訳が下手くそなのはご容赦ください(・・;)

 

 

【タイトル】

The Formal Mentoring Program and Socialization Outcomes: Testing the
Assimilation Process

 

【著者】

Zhenyao Cai

 

【出典】

 

【メモ】

組織は新人の社会化における人事の介入として公式のメンター制度を使う。メンタリング研究者は効果的なメンタリングは新人の様々な社会化結果につながるということを明らかにしてきた。というのも、組織エージェントとされるメンターは社会化における学習過程を促進することができるからである。

上記のように「メンター制度は人事の介入である」と言われると確かにそうです。

しかし、よくよく考えてみるとメンターがするような役割は公式に誰かを任命するということがなくても果たされうるものでしょう。

というか、むしろ「自然発生的に」メンター&メンティー関係が形成され、組織参入者の適応を促す企業風土があれば「メンター制度」として制度化しなくて済むし、そのほうが企業の経済行動としても合理的です。

ただ、、、

そのような風土がない、あるいは失われてきたといった背景があるからこそ、メンター制度を導入するに至るのでしょう。

とはいえ、上記の通りメンタリングは社会化結果に貢献するというのはすでに研究として明らかになっているようです。「効果的なメンタリング」という言葉が気になりますが、、、

 

・・・

 

このような進歩があるものの、先行研究にはいくつかの限界が見られる。第一に、学習プロセスの他に(例えば、同化プロセス)、メンタリングはどのように社会化結果に影響を与えるのかというものが広く知られている。第二に、メンターが社会化における組織エージェントであるという想定は検証されたことがない。第三に、メンタリングについての先行研究は、主にホワイトカラー労働者に集中しており、それはメンタリング文献における発見の一般性についての疑問を招いている。

第三の点、メンタリング研究がホワイトカラーに集中していて一般性に疑義があるというのは、確かにそうだと思います。

そもそもメンター制度、メンタープログラムといったものは、時間や場所の拘束性が高いブルーカラー職種には実施しにくい側面があります。ホワイトカラー職種であれば、メンターとメンティーがお互いに空いた時間で面談を重なうことができますが、ブルーカラー職ではそれが難しい場合が多いでしょう。そういった現場的な背景があり、メンター制度やその研究もホワイトカラー労働者に集中しているのではないかと思いました。

 

・・・

 

この研究は、自己推定にもとづく組織の媒介効果と、メンタリング機能と三つの社会化結果(例えば、感情的組織コミットメント、職務満足、組織市民行動)との間の関係における個人―組織組織適合を検証した。加えて、この研究はまた、メンタリング機能と二つの媒介変数との間の関係におけるメンターの組織的プロトタイプ性の調整効果も検証した。
二つのタイプのデータが製造業のブルーカラー労働者から集められた。

よくわからなかったのだが、、、

ざっくりと捉えられるこの研究の調べたいことは、メンタリングの社会化結果への効果性だけでなく、それを媒介している部分を明らかにしたいということ?

※prototypicallity=プロトタイプ性とは?

 

よくわかるのは、

前の引用で問題視していた「メンタリング研究がホワイトカラーに集中しすぎ」という前フリをかましていたとおり、この研究ではデータをブルーカラー労働者から取得しているということ。

 

・・・

 

結果は、そのモデルのほとんどの仮説を支持した。自己推定にもとづく組織と個人―組織適合は明確に、メンタリング機能と二つの社会化結果(感情的組織コミットメントと職務満足)との間の関係を成り立たせていた。ただ個人―組織適合だけが明確に、メンタリング機能と組織市民行動との間の関係を成り立たせていた。加えて、メンターのプロタイプ性は明確に、メンタリング機能と二つの媒介変数との間の関係を成り立たせていた。

結果を読むとわかりやすくなりますね。(そりゃそうだ)

つまり、メンタリングを「原因」とし、社会化結果を「効果・結果」として見たとき、その間の相関関係を個人―組織適合が媒介しているということなのでしょう。メンタリングが行われていても個人―組織適合で良い状態になければ、最終的な社会化結果に効果を及ぼしていないということ。

※prototypicallity=プロトタイプ性とは?(2回目)

 

・・・

 

この研究は、メンタリングはどのように同化プロセスを通して社会化結果に影響を与えるのかということへの我々の理解を前進させた。それはまた、メンタリングと結果との関係の境界状況としてメンターの組織的プロトタイプ性の役割を検証することによって研究に貢献した。最終的に、ブルーカラー労働者から得られたデータはメンタリング研究の結果の一般性を増加させた。

二つ目の引用にあった、メンタリング→社会化結果の間のプロセスがよくわかっていないという問題にひとつの知見を提出していることが第一の貢献。

※prototypicallity=プロトタイプ性とは?(3回目)

あと、問題視していたメンタリング研究のホワイトカラー集中についても、ブルーカラー労働者への調査を実施したことで、研究の一般性に貢献したことを報告している。

 

・・・

 

※あくまでアブストラクトだけを読んで書いているので、不確実なところも多いと思いますのであしからず。

 

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

今後も論文のアブストラクトを多読し、自分の関心や研究したいことに近い内容の論文や知見を探していきたいと思います。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※これからの仕事は「労働の疎外」からの解放へ向かう!?

※ブログ更新※これからの仕事は「労働の疎外」からの解放へ向かう!?

 

こんにちは、髙橋です。

 

昨日のブログでは、「疎外」というものについて書きました。

フォイエルバッハとマルクスというふたりの哲学者の考えを参考にして、「疎外とは自分から自分が離れた状態」ということをお伝えしました。

 

・・・

 

そこで、マルクスが考えた「労働の疎外」についてご紹介しました。

資本主義経済の賃金労働の下では、労働者は自ら労働を差し出し(自己の外部に置き)、代わりに賃金を得ます。労働による成果物は労働者のものではなく、資本家の所有物となります。ここにおいて、「疎外」は「本来自らのものであったはずのものが、自分から離れてしまう」ことを表しています。自らの労働が自分のものではなくなってしまうことをマルクスは「労働の疎外」と呼びました。

 

・・・

 

『資本論』に代表されるマルクスの思想は、20世紀の思想、政治、経済、社会全体に大きな影響力を及ぼしました。特に、その理論や思想は社会主義・共産主義の強力な基盤となり、冷戦の終結まで重要な役割を持っていました。

しかし、冷戦の終結そしてその後の国際的な政治経済をして、マルクスが考えた「資本主義社会が革命によって打倒され、より人類にとって理想的な社会主義社会が到来する」という歴史観は、実際をもって否定されたとみられます。

 

・・・

 

しかし、彼の徹底した資本主義社会への批判的分析の持つ価値が否定されたわけではないと思います。特に、「労働の疎外」は現在も変わらず存在しています。

 

というより、今までは存在してきました。

 

しかし、これからはどうなんでしょうか。

 

現代は一種の過渡期です。あらゆることが大変速いスピードで変化しています。

起業やフリーランス、副業といった選択肢がより身近なものとなりつつあり、稼ぎ方、働き方、生き方の多様性が急速に高まってきています。もちろん、一気に労働者が減少し、起業する人やフリーランサーが急増するとまでは考えていません。しかし、そのような傾向が強まっていくことは想像されます。特に、AIやロボット技術が高度に進化することで社会全体が必要とする人間の労働力が減少していくと予想されます。そして、人間は“人間だからこそ”できる仕事に限定されていくのではないでしょうか?

 

・・・

 

人間が“人間だからこそ”できる仕事に集中する。

この状況はマルクスが見ていた労働社会とは全く異なるどころか、真逆と言えるかもしれません。

彼の見た、「労働の疎外」を引き受けた労働者たちの姿は、資本家の下で機械の一部のように酷使される非人間的な人間でした。

そのため、今後人間が“人間だからこそ”できる仕事に集中するようになったとき、それはマルクスが指摘していた「労働の疎外」からの解放だと受け取ることができます。

 

 

今後、働く人たちを取り巻く環境がどのようなスピードで、どのような状況へ変わっていくかはまだまだ不透明です。ただ、大まかな方向性は上記のようなものになるのではないかと思っています。

 

・・・

 

今日は、昨日のブログで取り上げた「労働の疎外」について、今後の社会の中でどのような変化が考えられるかということを考えてみました。

 

ただ、思います・・・

“人間だからこそ”できる仕事って何なんでしょうか?

 

思考?

創造?

 

それとも、遊び?暇つぶし?

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は行動⑦です。教えるというにはあまりにもボヤっとしていて申し訳ない感じ。

さあ、学ばな。。。