※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20191018:ポジティブフレーミングのダークサイドを考える

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、論文アブストラクトのレビューではありません。

 

私が組織再社会化研究プロアクティブ行動という分野に関心があることはこれまでの投稿でお伝えしてきました。

今日はプロアクティブ行動という概念の中から、「ポジティブフレーミング」というものを取り上げ、そのダークサイドを考えてみたいと思います。

 

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プロアクティブ行動の「プロアクティブ」は「pro-active」ですので、「先に―動く」といったイメージです。

学術的には「先見的で、未来志向で、自律的な」といった言葉を目にすることもありますが、シンプルに「主体的な行動」ぐらいの理解で十分だと思います。

 

組織社会化研究の中で多くの研究蓄積があり、いくつか異なったバージョンがあるプロアクティブ行動ですが、

もっとも多くの研究で使われているものはAshford & Black(1996)によるものです。

Ashford & Black(1996)によるプロアクティブ行動は下記の4つです。

・意味形成(情報探索、フィードバック探索)

・関係性構築

・職務変更交渉

・ポジティブフレーミング

 

今日取り上げるのはポジティブフレーミングです。

ポジティブフレーミングは、

日本語にすると「ものごとを肯定的に捉えること」というとわかりやすいと思います。

 

例えば、

上司から嘘みたいに大量な仕事を頼まれたときに、

それを「乗り越えられない障害」と捉えるのか

あるいは「成長・ステップアップする好機」と捉えるのか

後者がポジティブフレーミングです。

何かしらの困難に直面したとき、それを肯定的に捉え挑戦していくのがポジティブフレーミング的な振る舞いです。

 

皆さんはポジティブフレーマーですか?

 

 ▼

 

一見して、

ポジティブフレーミングは文字通り肯定的で歓迎すべき行動のように思えます。

実際、一緒に働く人や部下がポジティブフレーミングのできる人間であれば同僚や上司は助かるに違いありません。

また、本人にとっても、困難な仕事に主体的に取り組み、それを乗り越えていくことで成長し、周りから高い評価を得るかもしれません。

 

しかし、

一方でこう思ってしまう私がいる。

「あれ、ブラック感が漂ってない?」

 

例えば、

上司:この仕事は全社的にも重要なんだ。作業も多いし、ミスも許されないけど頼むよ。期待しているから。

部下:はい!(よし、大変な仕事だけど、これを乗り越えたら自分を成長させることができるぞ。頑張ろう!)←今月残業100時間

というケース。

 

これ、けっこうあるあるだと思うんですよね。

むしろ、

強いブラック企業はたいていこういったダークなポジティブフレーミングがうまく機能しているのではないでしょうか?

ある種洗脳に近い部分があると思います。

このように、ポジティブフレーミングは主体的に仕事に取り組むことにつながる半面で、自分を追い詰めすぎてしまう可能性や組織にそういったマインドを利用されてしまう可能性があるのではないでしょうか。

 

 ▼

 

今日はプロアクティブ行動のひとつであるポジティブフレーミングについて、そのダークサイドの可能性について考えてみました。

実は、Cooper-Thomas & Burke(2012)が指摘しているように、ポジティブフレーミングは組織社会化への効果性が指摘されている一方で、研究の数が不足しています。

組織社会化研究はそのほとんどが組織にとってハッピーな結果を見つけるためのものがほとんどです。

ただ、今回指摘したように組織社会化の概念の中には、ある種悪用された時の「怖さ」を秘めたものもあります。

私は、ポジティブフレーミングは特にその可能性が高いと思っていたので、今回ご紹介しました。

ポジティブフレーミングはこういったダークサイドからの研究をすると面白い結果が出てくるかもしれません。

 

あなたの組織ではポジティブフレーミングがありますか?

また、そのポジティブフレーミングには「ブラック感」が漂っていませんか?

 

【文献リスト】

Ashford, S. J., & Black, J. S. (1996). Proactivity during organizational entry: The role of desire for control. Journal of Applied Psychology, 81(2), 199-214

Helena D. Cooper-Thomas and Sarah E. Burke (2012) Newcomer Proactive Behavior: Can There Be Too Much of a Good Thing?

  Connie R. Wanberg (ed.) The Oxford Handbook of Organizational Socialization. Oxford University Press. pp.56-77

 

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【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20191017

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、48,878gでした。

 

ポール・クルーグマンほか著、大野和基編&インタビュー『未完の資本主義 テクノロジーが変える経済の形と未来』PHP新書・・・147g

 

本書は、「テクノロジー」「資本主義経済」などに関して、現代の知の巨人と言われる7名の著名な専門家にジャーナリストである大野氏が訊ねた論考集です。

 

世界の知の巨人(インタビュイー)

→トーマス・フリードマン:ジャーナリスト&コラムニスト

→デヴィッド・グレイバー:文化人類学者

→トーマス・セドラチェク:経済学者

→タイラー・コーエン:経済学者

→ルドガー・ブレグマン:歴史家&ジャーナリスト

→ビクター・マイヤー=ショーンベルガー:ビッグデータの権威

 

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ひとことで言えば、「イマっぽい本」ということです。

元々、ビジネス書では「未来予言系」の本が良く売れる印象がありますが、現在のように不確実性が高まり、変化のスピードが早くなっている時代であれば、そのようなタイプの本はなおのこと人々の「不安」に訴えかけるチカラ(訴求力)があるのだと思います。

実際、いま本屋へ足を運ぶと「AIが変える未来系」の本が大量に並べられています。

 

 ▼

 

本書もその系統に属するビジネス書です。

キーワードは「AI」「ビックデータ」「資本主義」「未来」といったところです。

それらをキーワードに上記の識者たちがさまざまな意見を述べています。

 

ただ、

この本に通底したメッセージをひとことで申し上げるならば、

「資本主義に終焉などない」

ということでしょうか。

つまり、近年よく聞かれるような「資本主義は行き詰っている」「資本主義の終焉が近い」といった考え方へのアンチテーゼとなってます。

 

ただ、細かい議論は各識者で異なっていますので、本書を購入して読んでいただくとして、私的にお薦めするのは文化人類学者デヴィッド・グレイバー氏が対談相手のChapter3です。

グレイバー氏は「Bullshit Jobs(どうでもいい仕事)」という言葉で有名です。

グレイバー氏は、世の中には自分の仕事が何の役に立っているのかを実感できないどうでもいい仕事にあふれていると主張します。

そして、今後AIやロボティクスによって人間はこれまでの「Bullshit Jobs(どうでもいい仕事)」から解放され、ゆくゆくはベーシックインカムによって最低限の生活が保障されるので、人間は「人間らしい仕事」に専念するのようになるとグレイバー氏は主張しています。

まあ、最近の未来の働き方についての典型的な議論かとは思いますが、

他のそういったタイプの議論と少し違っているのは、前提条件がたいていは「AIによって仕事がなくなる」という論であるのに対し、グレイバー氏は「そもそもどうでもいい仕事ばっかりなんだよ!」という点です。

また、この「Bullshit Jobs(どうでもいい仕事)」について、どのような仕事がそれに該当するのかについても詳しく解説されていて面白いです。

 

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今日は、AIやテクノロジーが変える資本主義の未来を論じた本書を紹介しました。

私がこの本を買った大きな理由はタイトルに「未完の」という文字が入っていたためです。

実は、「未完の資本主義」というのは私自身の資本主義への見解とかなり近いものがあります。

ボヤっとしたイメージですが、

これまでの伝統的な資本主義が「金融資本主義」であった(未完だった)のに対し、今後はお金以外のものも含めたすべてのものが高い資本機能を持った「エブリシング資本主義」になっていくと思っているからです。

そのため、本書は共感できる箇所も多く、また「へー、なるほど」と参考になる事実や予測も多くあり、示唆に富む内容でした。

 

・・・

 

前回までの総重量48,878gに、今回の147gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は49,025gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

さあ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※「働かない50代問題」に思うこと:退屈とうつ

 

こんにちは、髙橋です。

 

最近話題のネットの記事でトヨタも悩む新50代問題 もうリストラでは解決できない」という特集があります。

そのパート1では、「「終身雇用難しい」発言の舞台裏 トヨタ社長が焦るワケ」と題し、トヨタ自動車の労使双方への取材から明らかとなった「働かない50代問題」が報告されています。

 

記事によると、トヨタにはいまだに年次昇格枠が設定されており、そのため出世する道筋がわかりやすい状態にあるそうです。

例えば、40歳手前で課長に、40代後半で部長というのが基本的な出世コースというものらしく、「このコースから外れると挽回はほぼ不可能」とのこと。

そして、問題の50代については次にような語りが紹介されています。

 

「あぶれた50代も肩書が付く場合があるが、部下はいないし、与えられる仕事も大きくない。相当モチベーションは下がっている。それでも年収で1200万円はもらっているから誰も辞めない」と40代社員は言う。

 

確かに、

社内でも高給取りの50代社員が大した仕事もせずモチベーションも低い状態と言うのは会社にとって大きな損です。

その分のお金で優秀な若手を2人は雇えます。

しかし、

日本の解雇規制や日本の終身雇用の象徴でもあったトヨタとしてはなかなかバッサリとはいけないものです。

最近は、大手企業を中心にある年代以上の社員から希望退職を募ることが増えてきていますが、それはそれで本来残ってほしい人材が辞めて、そうじゃない人材が残ったり、ターゲットを定めた社員を希望退職に応募させるように画策したりなどさまざまなダークな苦労を伴います。

トヨタに限らず、この働かない50代(あるいは働かないおじさん)問題には今後も多くの企業が苦悩すると思います。

 

と、ここまで会社側への不利益について書いてきました。

しかし、加えて考えたいのが働かない50代と呼ばれてしまっている当の本人についてです。

彼らは、世代的に20代、30代の体力や気力にあふれていたころ、猛烈に働いて会社の成長に貢献してきたことでしょう。

それこそ、家庭など顧みずに。

しかし、40代でキャリアの節目を迎え、出世コースに乗ることができなかった。

そして、50代の今、それほど重要な仕事を任されることもなく、モチベーションが低い状態で毎日働いています。

若いころ企業戦士として猛烈に働いてきた彼らにとって、今の状態はものすごく「退屈」なのではないでしょうか。

もちろん、1日中やることがないという状態に置かれるという人は少ないでしょう。しかし、自分の今後に資する良い経験をもたらすようなチャレンジングな仕事をできるような環境に置かれる可能性は少ないということだと思います。

 

この退屈さというものが本人の精神衛生上よくないのではないかと思わずにはいられないのです。

例えば、「定年後うつ」という言葉があります。

これは、主に定年後の男性がそれまでの会社員生活の終了とともに、日々のやるべきことやそれを果たす責任感などがなくなり、喪失感の中で徐々に生活への活力をなくし、何もやる気が起きなくなったり、不眠症になったりすることを指しています。会社の中で長い時間を過ごしてきた中高年男性は人間関係が会社内で完結している人も多く、会社を離れることでやることがなくなるだけでなく、コミュニケーションを取る相手も一気に減少します。そのような定年という節目で生じる精神的な落ち込みを「定年後うつ」と呼ぶことがあります。

このことから推測できるのは、退屈さはうつを引き起こす可能性があるということです。

 

話を「働かない50代問題」に戻すと、ここで問題とされているような人たちも上のようなうつを発症する定年後の人たちと同じように、ある種の喪失感を抱えるのではないかということです。

遮二無二働き、会社に貢献してやりがいある仕事をしていたころと比べて、やりがいのある仕事を望めども与えられず、今の仕事を一生懸命こなしたところでその評価が将来につながるわけでもない。

彼らも大きな喪失感を抱えるのではないでしょうか。

この「働かない50代問題」はトヨタに限らず日本全体にとっても大きな問題でしょう。

またそれは会社にとっての経済合理性といった点だけではなく、当の本人たちの精神衛生に関わる社会問題でもあると思えてなりません。

(以上は、私の勝手な仮説ですのであしからず)

 

 ▼

 

今日は「働かない50代問題」について、退屈さがうつを引き起こす可能性について考えてみました。

この「退屈」の問題は今後の人類にとって重要な意味を持っています。

例えば、今後AIやロボットがさらに発展、普及するなかで、人間が「やるべきこと」ではなく「やりたいこと」に時間を使う社会になったとき、「○○をやりたい」というモチベーションを持たない人間は「退屈の刑」にかけられることになるかもしれません。

 

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20191015

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、48,702gでした。

 

ピーター・L・バーガー著、園田稔訳『聖なる天蓋―神聖世界の社会学』ちくま学芸文庫・・・176g

 

本書の著者、ピーター・バーガーは大変著名なアメリカ人社会学者です。

国籍はアメリカですが、もともとの生まれはオーストリアです。

ナチスから逃れてアメリカへ移住し、その後帰化しています。

ナチスから逃れてアメリカへ来た社会学者というと、ホルクハイマーやアドルノに代表されるフランクフルト学派が思い浮かびますが、ピーター・バーガーはフランクフルト学派には分類されません。

世代が少し違う(後)ということもありますが、社会学的方法論の流派?的な部分で異なっています。

フランクフルト学派がその背景にマルクスやヘーゲルらからの影響があることから思想史的視点から近代を分析し、近代化によって生まれた諸々の問題に目を向ける一方で、ピーター・バーガーはフッサールの現象学を社会学に応用したシュッツの現象学的社会学の流れをくむ社会学者と言われています。

 

「ピーターバーガー」の画像検索結果

(ピーター・L・バーガー)

 

ピーター・バーガーは以前から社会学史に登場するひとりとして知ってはいたものの、著書を読んだことはありませんでした。ですので、今回初めて読んだのがこの『聖なる天蓋』です。

原著のタイトルは‘The Sacred Canopy’で、副題として“EREMENTS OF A SOCIOLOGICAL THEORY OF RELIGION”となっています。

「SOCIOLOGICAL THEORY OF RELIGION」とあるので、この本は宗教社会学に分類されるものといってよいでしょう。

 

とりあえず、読みました。

しかし、わからん。まあ、わからん。

ネットで書評的なものを調べたことをよりどころに簡単に説明すると、この「聖なる天蓋」が=宗教ということのようで、近代化の中で「聖なる天蓋」が失われていった(世俗化していった)、ということのようです。(あれ、なんかさっき違う流派といったフランクフルト学派的な感じが、、、)

しかし、私は正直読んでいてそこまで全体を捉えられませんでした。

宗教社会学系の書籍は、大学生用の教科書的な本や実証研究であれば割とわかりやすいのですが、思想史的な記述や理論的な記述はかなり難解になりやすいイメージがあります。

実証研究的の宗教社会学では、やはりウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』やデュルケームの『自殺論』が超のつく名著であり、かつ読みやすいイメージがあります。

 

そんなわけで、読んでもよくわからんかったわけです。

ですので、あまり今日は書けることがない。

だから、↑につらつらと社会学史的な話をしてきました。

 

ただ、収穫はひとつありました。

それも結構重要な発見。

それは、この著作の中でピーター・バーガーが「社会化」について言及していたことです。そして、その社会化についての記述は私がいま関心を持っている「組織社会化」にも通底している考え方であるということです。

最後にその箇所を引用します。

もちろん、心理学で言えば、社会化は学習過程のひとつである。新しい世代は、文化の意味づけのうちに招じ入れられ、そこで既成の仕事に参与し、その社会構造を構成する役割と身元保証を受け入れるよう学習する。しかしながら、社会化は、学習過程を論じるだけでは適切に把握されない枢要な次元をもつ。個人は客体化された意味を学びとるばかりでなく、それに同一化し、それによって造形される。彼は、自分のなかにそれを引き入れ、彼自身の意味にしていく。彼はこうした意味を所有する者になるだけではなく、それを代表し、それを表現する者になるのである。

これは、何げに結構しびれます。

この文章の内容を組織社会化の文脈で語るとすると、新人は組織から変化させられるだけの存在ではなく、自ら変化を指向する存在である、ということでしょうか。

つまり、社会化は社会や組織側から一方的に客体としての個人へ影響を与えるだけでなく、個人から社会や組織へのベクトルを有した相互作用的な営みであるということが指摘されています。

実は、この解釈は組織社会化研究の80年代から90年代にかけて生じた大きな変化の流れと同じものです。

ピーター・バーガーがこの書籍を著したのは1967年ですので、ある種社会化研究の変遷を予言していたと言えるかもしれません。

非常に面白い。

また前後含めて再読しようと思います。

 

・・・

 

前回までの総重量48,702gに、今回の176gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は48,878gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

さあ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※なぜ上司はタスクメーカー化するのか?

 

こんにちは、髙橋です。

 

台風19号が過ぎ去りました。

当方は家もお店もほとんど被害は出ず、心配していた店舗外の幌もそのままで無事でした。

前回大きな被害をもたらした台風15号は、電信柱が倒れたことによる停電など風による被害が多かったですが、今回は降雨による被害が大きいようです。

 

しかし、台風の恐怖に日本中がおびえた1日が明けた13日にラグビー日本代表がスコットランド代表に勝利したことは日本中に元気を与えてくれたと思います。

いや、ほんとうに強いですね。これから先の試合が楽しみです。

 

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今日はタスクメーカー上司について考えてみたいと思います。

 

タスクメーカー上司とは、仕事を無駄に増やす上司のことです。

タスクメーカー(Task Maker)=仕事製造者

 

皆さんの職場にも無駄に仕事を増やしている上司はいませんか?

あるいはあなたは無駄に仕事を増やす上司ではありませんか?

 

「なんで忙しいときに、こんなしょうもない仕事振ってくるんだよ」とか、「別に時間はあるけど、この仕事何の意味があるの?」と思ったことはありませんか?あるいは誰かが言っているのを聞いたことはありませんか?

そうです、その製造元がタスクメーカー上司なのです。

 

「働き方改革」のこのご時世にそんなわけないでしょ、むしろ仕事をドンドン減らしていく時代ですよ、と思われるかもしれません。

しかし、むしろ働き方改革が進むことで上司がタスクメーカー化しやすくなっていると私は思っています。

 

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なぜ上司がタスクメーカー化するのか。イマ考えて思い浮かぶ理由が二つあります。

1.管理職を監視職と思っているから

2.部下の手持ち無沙汰=悪と考えているから

 

1.管理職を監視職と思っているから

ここで言う上司とは主に管理職以上の、マネジメントを主たる業務とする人々のことを指します。

彼らは部下を監督することが重要な職務とされています。

それは本来、「他人の力を通して目標を達成する」ことであるはずです。

しかし、その過程の中では部下の仕事の進捗や仕事の出来栄えなどを確認するようなことが大半を占めるようになります。

そうなるとだんだんと、確認すること=自分の仕事と錯覚するようになり、最終的には部下を監視(モニター)することが主たる職務になってしまうのです。

管理職ならぬ、監視職です。

そして、監視職化した上司はなるべく効率的に部下を監視するために新しい仕組みを生み出します。

「日報に新しい項目追加したからよろしく」

「○○業務のチェックリスト作ったから、今度から進捗を記録して毎週の課会で報告、提出してね」

と言った具合です。

何らかの基準を設けることで監視力の強化や効率化を図ります。

このように、管理職を監視職と思ってしまうことから上司はタスクメーカー化してしまいます。

 

2.部下の手持ち無沙汰=悪と考えているから

上の監視職と通ずる部分もありますが、こちらもあるあるです。

部下を監督する立場にある上司にとって部下の労働時間をコントロールすることは重要なタスクのひとつです。

働き方改革が叫ばれる現在、まず第一に優先されるのは残業の削減でしょう。

部下の残業をなくすために部下の仕事を巻き取り、疲弊している世のマネジャーのなんと多いことか。

しかし、部下に時間の余裕があったらあったで、上司の上司から以下のように言われてしまうのです。

「君の部署の○○さん、最近業務時間中に暇そうにしているように見えるけど、ちゃんと仕事与えてんのか?部下の管理はお前の仕事だぞ。」

そうなんです。

仕事を効率化して、より少ない時間で業務をこなせるように改革すると、それはそれで問題になってしまうのです。つまり、管理職である上司にとっては部下の手持ち無沙汰は悪であり、非効率な部分として映るのです。

これは、管理職である上司(たち)は厳密な労働時間管理の範囲外にあるのに対し、法律上の労働時間管理を厳密に適用される部下という仕組みが背景にあります。

上司にとっては、8時間勤務なら8時間、7時間半勤務なら7時間半の所定時間分しっかりきっちりと仕事させることが重要な職務だと思われているのです。

そのため、働き方改革が進んで仕事に時間の余裕が生まれるとき、むしろ上司はタスクメーカー化します。

「(○○君、最近少し暇そうにしてる時あるな、じゃあ)○○君、倉庫の奥にある古い資料を電子化しておいてくれる?特にすぐに使う予定はないんだけど、まあ念のため。悪いんだけどさ、うん、念のためだから。」

このように、上司は部下の手持ち無沙汰を認識したときタスクメーカー化するのです。

 

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今日は、なぜ上司はタスクメーカー化するのかを考えてみました。

上司がタスクメーカー化する理由として、

1.管理職を監視職と思っているから

2.部下の手持ち無沙汰=悪と考えているから

という二つが考えられます。

たぶん他にもいろいろな理由があると思います。

 

一つ言えると思うのは、

タスクメーカー上司は部下から見たときほぼ間違いなく「嫌な上司」だということです。

特に、以前よりも短い時間で以前と同じ仕事量を処理しなければならなくなっている部下や、一つひとつの仕事に自分がその仕事をやる意味ややりがいを求める若手社員の部下にとっては相当嫌われるのではないでしょうか。

 

皆さんの職場にタスクメーカー上司はいませんか?

あなたはタスクメーカー上司ではありませんか?

さあ、学ばな。。。

※ブログ更新※ベーグル屋と台風への備え

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日はベーグル屋と週末にやってくる台風について少し。

 

ベーグル屋は5月1日のオープンからすでに5カ月と少しが経ちました。

早いもので、今月末で6ヵ月、つまり半年経つということになるのですね。

とはいえ、まだ半年です。

店舗併用住宅ということもあり、そもそもお店自体は最低20年くらいは続けられるように計画しているので、そう考えるとまだまだ先は長いです。

 

ただ、幸いなことに、

着実に常連さんと呼べる方々がついてきており、母も常連さんたちとのコミュニケーションを楽しんでいるようです。

 

まだ少し先の話ではありますが、

数年以内に定年になる父もお店にジョインすることになると思います。

 

母とも話すのが、「まずは1年」ということです。

区切りが良いということもありますが、

食品系は季節や気温によって食材やお客様の入りや反応も変わる商売だと思っているので、

まずは1年やってみて、もっといろいろなことがわかってくるのではないかと思っています。

 

最近では、定休日の店舗スペースを生かして、生協の「生活クラブ」さんとコラボした試食会イベントなどを月1回くらいのペースで始めています。

そういった活動も通してベーグルはもちろんのこと、それ以外の価値もお客様や地域にお届けできるように、お店も少しずつ変化や進化をしていければと思っています。

 

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台風19号、明日のお昼ごろから夜にかけて関東地方をもろに直撃する予報となっていますね。

千葉県に大規模停電をもたらした前回の台風よりも大きく、かつ強力な勢力で迫っているそうで、「地球史上最大級」なんて言われています。

前回の台風では、私の住んでいる鎌ケ谷市は大きな被害をなかったのですが、今回は予測進路を考慮すると、何らか大きな被害、停電や断水が発生する可能性が大きいと思います。

もちろん、備えとしての一通りの対応はしますが、問題はお店の方です。

お店の外の「幌」と言われる部分、下の写真左上の青い部分ですが、

この部分が風をもろに受けてしまって、軸ごと吹っ飛ぶんじゃないか?という不安があります。

一応、幌の幕は紐でついているだけなので、取ろうと思えば取れるのですが、専門業者の方につけてもらったものなので、素人が取って付けてをおいそれとできるものなのか。また、幌を取るとその分いつも風雨にさらされていない部分がさらされてしまうので、そちらも大丈夫なのかという両方の不安もあります。

今日はこれから父も鎌ケ谷に来るので、家族会議をすることになると思います。

 

今日はベーグル屋のほうと、台風への備えについて少しだけ。

皆さまも台風にお気を付けください。

 

万一、台風の影響で停電となり、それが長引いた場合はブログの更新が滞る可能性があります。

何事もなく月曜にブログ更新できることを切に願います。

 

それでは。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20191010

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、いつもの論文アブストラクトのレビューではありません。

 

私は中途採用者の定着・育成を扱う「組織再社会化研究」に関心があり、またその領域に加えて、個人の先取り的で主体的な行動を指す「プロアクティブ行動」という分野を掛け合わせたいと思っています。(願望)

 

組織再社会化とプロアクティブ行動を掛け合わせた研究は非常に少ないですが(そもそも組織再社会化研究の蓄積がアホほど少ないので)、実はそのそもの組織社会化研究ではプロアクティブ行動が使われることは非常に多いです。

(それは、「主体的に動く人間は組織に適応(馴染む)のも早いのでは?うまいのでは?」というメタイメージがあるからだと思います。)

 

そんなわけで、

・組織再社会化(組織社会化も含む)

・プロアクティブ行動

といったキーワードで引っかかってくる色々な論文を読むことが増えています。

 

 ▼

 

ただ、

読んだ論文、いわゆる先行研究がうまいこと自分の中に蓄積していかない、うまく生かせそうにない、という感覚になることが多々あります。

このような苦しみは先行研究のレビューでは不可避なことだとわかっているのですが、やはり悩む。。。

 

これまで、

Excelを使って読んだ論文の情報やアブストラクトの日本語訳を表にまとめていました。

ただ、

元々重要だと事前にある程度わかっているような論文を除けば、100本読んでも使えそうな論文は1~2本なので、表にまとめていてもけっこう精神的なストレスになります。また、表にまとめることが目的化するおそれもあります。

表に記録はするとしても、蓄積&活用により有効な先行研究レビュー方法はないかと思案していました。。。

 

 ▼

 

そんな中、今日素晴らしいやり方を教えていただきました!

(と言っても、人が人に教えているところを横から勝手に見ていたのですが、、、)

 

実は、

今日は午前中、立教大学の中原ゼミに参加していたのですが、

ゼミ終了後に立教大学助教の田中聡さんがM1の加藤さんに先行研究レビューの方法について、田中さんご自身のやり方を教えておられたので、便乗して横で一緒に聞いていました。

 

その方法はとてもシンブルで、

・研究はデータで保存のうえ、しっかり読む論文は紙出力する

・読んだ中で重要なポイントは論文の表紙1枚のうえにメモ書きでまとめてしまう

というものです。

 

このようにすることで、

論文を手に取って表紙を見ただけでその論文の中で明らかにされていることがわかります。

 

これにより、

「あれ、この論文なんか使えそうなこと書いてあったな(パラパラ)、どこだっけ?(ジロジロ)」

という時間と手間がなくなります。

これには、「なるほど!」と思いました。

いやぁ~、目から鱗が落ちるどころか、目から尾ひれ背びれ胸びれを落としたくなりました。

 

なので、

帰りの電車で読んでいた論文を使い、家に戻って早速実践しました。

 

これは良いです。

汚い字や略語ばかりなのですが、私自身にはこの論文の構造と結果がだいたいわかります。

これで、またいちいちアブストラクトやディスカッションを繰り返し読む手間がなくなります。

もちろん、実際に引用などする場合には再度細かく読む必要がありますが、少なくとも「使えるか、使えないか」といった「あてをつける」ことができるようになりました。

 

このやり方を使って、まずは自分のやりたい研究にとってクリティカルな論文を再読含め読みながら表紙まとめしていきたいと思います!

田中さん、ありがとうございます!

(本日ゼミ内で発表いただいた内容も大変参考になりました。ありがとうございます。)

 

加えて、

前期の途中から私を中原ゼミに連れていってくださった中原研OB&ラーンウェル関根さんと、ゼミ運営をされている辻さんのはからいにより、後期のゼミにフルで参加させていただけることになりました。ありがとうございます!

もちろん、その分私自身の発表も頑張ります。

 

 ▼

 

今日は、【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】番外編として、

先行研究レビューの方法について立教大学の田中さんからお教えいただいた方法を実践し、タイムリーにお伝えしました。

(というより、ほんとうに僕の個人的なメモですね、すみません、そしてありがとうございます)

 

 ▼

 

【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

そして、プラスして行動③です。

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※なぜイマドキの若者は「仕事へのやりがい」を求めるのか?

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は早朝ブログを書いていましたが、家を出なくてはいけなくなって書き途中のまま一旦保存したのですが、そのあと中原先生の今日のブログを見たら自分が書き途中だったテーマと同じで驚きました!

中原先生の今日のブログは↓

「最近の若者がフィードバックを求める」のは「右肩上がりにグングン進む大きなちゃぶ台」が失われているからである!?

 

自分は特にフィードバックに言及しませんが、その背景にある若者像はかなり共通していると思います。

ただ、私と中原先生では文章力が「女神と鬼ばばあ」ほどに差がありますので、↓の私の文章を読むよりも中原先生のブログを読んでいただいたほうが有益だと思います。。。

 

ちなみに、、、

今日はラーンウェル関根さんからご案内いただいた「情動知性×リーダーシップ」研究会@立教大学に参加しておりました。(ありがとうございました!)

大変学び多き研究会でしたので、また別の機会に共有できればと思います。

 

それでは、本題に入りましょう。

 

 ▼

 

最近の若いビジネスパーソンは、仕事への動機付けとなる要素として「金銭」を上位に位置づけることが少なくなったと言われます。

また特に、

若手の中でも優秀層と言われるような人たちにその傾向が強いという印象があります。

 

例えば、

就活時に重視している点として、

1位が休日や労働時間などの「働きやすさ」、

2位が「仕事へのやりがい」、

そして3位にやっと「金銭」が入ってくるといった調査結果もあります。

 

ここで、

働きやすさについては、社内制度や働き方改革の進捗度など、ある程度会社全体の動きに左右される部分が多いと思います。

そのため、

仕事現場で新人を指導したり、マネジメントする立場の方々として特に注視しなければならないのは「仕事へのやりがい」でしょう。

 

この「仕事へのやりがい」、

ベテランビジネスパーソンからは、

「何がやりがいだ、、、そんなもん仕事の経験を積んで、修羅場をいくつもくぐり抜けてから言うもんだ!まだ20代そこそこでナマ言ってんじゃねぇ!」

「そもそも仕事にやりがいなんか求めるな、仕事はガマンだ!」

というお叱りを受けるかもしれません。

 

しかし、

アンケート結果や色々なお話からすると、若者たちが仕事にやりがいを求めているのは間違いないと思います。

では、

そもそもなぜ今若者たちは「仕事へのやりがい」を求めるのか、その背景を考えてみましょう。

 

 ▼

 

ひと昔前は、比較的社会や経済が安定し、変化の少ない状態が続いていました。

しかし、今の若手ビジネスパーソンが生まれた1990年代からは常に不況と言われているのを聞きながら育ち、また盤石と思われた名だたる大企業の没落を見てきました。

そして現在はどうか。

安定するどころか、VUCAという言葉に代表されるような、なお一層変化の激しい社会へと突入しています。

 

また、

以前の安定していた社会では金銭、収入が自分と他人を比べる有効なバロメーターとして機能していました。加えて、相当な異常事態が生じなければ今の年収がそのまま徐々に増加していくだけとわかっていたので、そこに「確かさ」がありました。

しかし、

これまでの異常が異常ではなくなり、変化が常となった現代では、今の会社が数年後も同じような売り上げを維持し、収入が安定して上がり続けるということに以前のような確かさがなくなっています。

 

すでに、

自分を支えるよりどころが会社ではなくなっている、

あるいは、

会社に依存するのは危険であるという認識が広まっています。

 

 ▼

 

若者たちは〇〇会社というような所属の持つパワーよりも、

これからの時代に通用する個人に紐付いたパワーを求めているのだと理解しています。

 

とはいえ、

今すぐに起業したり、フリーランスとして仕事をもらえるような能力やコネクションを持っている人は限られているので、そのような思いは抱きつつも多くの人は企業へ就職します。

この自分という個人に紐付いたパワーを求める思いが「仕事へのやりがい」に表れているのではないでしょうか?
やりがいはつまるところ「私にとってのやりがい」ですので、私という個人に実りのある仕事がしたいということです。

 

彼らにとっては、

やりがいのある仕事をすることが自分自身の成長につながり、

その成長が自分自身という個人に紐付いたパワーをもたらし、

そのパワーがイマという変化の激しく不確実性の高い時代を生き抜くチカラになる、

ということなのではないでしょうか。

 

 ▼

 

今日は今の若者が求める「仕事へのやりがい」というトピックを取り上げ、その背景を探りました。

たまたま、今日のブログは中原先生のブログの内容とカブりました。

(中原先生もおっしゃっていますが、以上の若者像は仮説です。)

 

このような若者像は正直私も実感としてありますし、実際に大学生と話す機会があるとそのような意識が本当に高まっていることを毎回感じています。

またの機会に、そのような若者を指導する先輩や上司はどのような点に留意すべきなのかということを考えてみたいと思っています。

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20191008

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、48,391gでした。

 

山口周著『知的戦闘力を高める 独学の技法』ダイヤモンド社・・・311g

 

本書は、元コーン・フェリーのシニアパートナーで、現在は独立研究者、パブリックスピーカー、著述家としてビジネス界に引っ張りだこの山口周氏です。

 

山口氏が提唱する考え方を表現するものとして、

「“役に立つ”から“意味がある”へ」ということばがあります。

 

山口氏によれば、

これまで産業革命以降、人間は役に立つものをつくりだすテクノロジーやサイエンスに重要性や高い価値を持たせてきました。

しかし、

現代ではすでにそれらの“役に立つ”ものが飽和状態になってきていることからその価値を失い、

これからは役に立たないがそこに“意味がある”もの、

例えばアートやフィロソフィーに高い価値が置かれるようになります。

山口氏はハイペースでビジネス書を出版されていますが、多くの書籍の根底にあるのはそのような考え方です。

 

※6月に立教大学で開催された講演会の様子がYoutubeでご覧になれます。「“役に立つ”から“意味がある”へ」という考え方を山口氏本人がわかりやすく解説されています。

動画を見る

 

 ▼

 

そのため、山口氏のビジネス書には通常のビジネス書では見かけることが少ない、美術や哲学にまつわる話が多く出てきます。

山口氏の大人気を顧みるに、

そのような新しい考え方がビジネス界で受け入れられつつありますが、

それは何か“分析して”や“狙って”というわけではなさそうです。

というのも、それらはまさに“役に立つ”の思考であるからです。

 

むしろ、

美術や哲学が山口氏にとって“意味がある”ものだからこそであり、

それがたまたま現代の世相にマッチしたというのが本筋のように勝手に推測しています。

 

例えば、本書の以下のような文章がそのような推測を支持してくれるかもしれません。

私自身の「掛け算」はなにかというと「人文科学と経営科学の交差点で仕事をする」ということになります。私のバックグラウンドは哲学・歴史・美術・音楽といった人文科学領域であり、この領域の勉強についてはまったく苦にならない・・・・・というよりも好きで好きでしょうがない。

 

この「好きで好きでしょうがない」というのは“役に立つ”とは真逆の考え方です。

むしろ、

自分にとって“意味がある”ということを重視しておられます。

そして、

本来“役に立つ”が重要視される経営科学の世界に、役に立たないが“意味がある”人文科学の知見を掛け合わせることで、そこに新しさが生まされているのだと思います。

 

 ▼

 

ただ、こう思われるのではないでしょうか?

“役に立つ”学問として、例えば経営学について学ぶだけでも大変なのに、さらにい“意味がある”という美術や哲学、歴史などを学ぶのは無理、もう絶対無理。。。

 

おそらく、そのような視点からこの本の需要が生まれているのではないでしょうか。

「山口氏はどうやって学んでおられるのだろうか?」というクエスチョンですね。

そのため本書では、なぜ今独学が必要なのか、知的戦闘力とは何か、知的戦闘力を身につけるためにどのような学びの技法があるのかということが山口氏によりつづられています。

 

 ▼

 

細かい技法については、是非本書を買って読んでいただければと思いますが、

 

最後に、私が読んでいて共感した部分をひとつご紹介したいと思います。

独学というと、「本でお勉強」というイメージを思い浮かべる人が多いのですが、実は独学にはさまざまなインプットソースがあり、それらを組み合わせることが重要だ、ということを忘れてはなりません。

 なぜ、独学のインプットを、これだけ広範囲のソースとして用いるかというと、本だけに独学のインプットを限定してしまうと「学びの稼働率」が低下してしまうからです。

 

以上のような考え方から、

山口氏は、テレビ・ラジオ・雑誌といったマスメディア情報や、YoutubeやWikipediaなどに代表されるネットメディア、そして映画や絵画などの芸術作品もインプットソースとして欠かせないものだとおっしゃっています。

 

それは、「学びの稼働率」の上昇につながります。

稼働率を上げることで、単純に独学の時間が増やせます。

時間が増えることは学びの絶対量が増えることに他なりません。

 

おそらく山口氏も、学びの基本は本だとお考えかと思いますが、それが常に最善とは限らないということをおっしゃりたいのだと思います。

また、学び=本からというような考え方が逆に学びの効率性を下げてしまう可能性について言及されています。

特にそのような学び方のバイアスがかかった人は大人に多いのではないでしょうか。

 

古い学び方にとらわれず、より自由な学びで「学びの稼働率」を上げよ、

というメッセージを本書を読む大人たちに伝えようとされているのだと思いました。

 

・・・

 

前回までの総重量48,391gに、今回の311gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は48,702gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

さあ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※「第二新卒歓迎」という謳い文句にご注意を!:第二新卒のポテンシャル採用について思うこと

 

こんにちは、髙橋です。

 

現在の社会で「人手不足」が深刻な問題となっていることは周知のことと思います。

このような深刻な人手不足は、二つの視点からの「不足」の掛け合わせによって構成されています。

一つ目が、「絶対数の不足」

二つ目は、「相対的な不足」

 

「絶対数の不足」は生産年齢人口の減少です。

生産年齢人口は15歳以上65歳未満を指しますが、その数は1990年代半ばをピークに1割ほど減少し、現在では約7500万人程度となっています。

また、この減少は今後さらに加速し、2040年くらいには6000万人を切るものとされています。

※生産年齢人口を15歳以上65歳未満ということ自体が今後再考されるべきという話もありますが。

 

「相対的な不足」は求人数の増加によってもたらされます。

働く人、働ける人は年々減少していっているにも関わらず、求人数は特に2015年ごろから顕著に右肩上がり傾向にあります。

この相対的な不足によって人手不足の感がより強くなっているものと思われます。

 

 ▼

 

そのような二重の不足からもたらされた人手不足の中で、「転職市場」は空前の活況に沸いています。

中途採用者において利用されることが多い採用ルートが「人材紹介」です。

人材紹介は企業からの求人要件に合った人材を登録者のプールから選び、企業へ紹介します。その結果、採用に至った場合は初年度年収の3割程度が紹介会社にフィーとして入ってくる仕組みとなっています。

 

人材紹介会社は人を紹介するだけで数百万の売上が上がるので気楽な商売と思われることもあります。

しかし、この人手不足の中では人材紹介会社も紹介するための人材を確保することは容易なことではありません。

 

そのような背景の中で近年増えてきたと思われるのが、第二新卒のポテンシャル採用です。「第二新卒歓迎」といった謳い文句を見かけることも増えてきました。

第二新卒は一般的に新卒入社後に数年で退職した若年求職者を指します。

中途採用をしていて人材紹介会社へ求人を出している会社が本来求めているのは「即戦力」と呼ばれるような人たちですが、その要件を満たすような人材を中途採用市場から確保することはそう簡単なことではありません。そこで、ある種の妥協案といったかたちで、希望するスキルはないが年齢が若い層へまで範囲を広げることになります。

そのため、第二新卒のポテンシャル採用というものが中途採用の対象に入ってくることになります。

 

 ▼

 

ここで問題となるのが、

第二新卒のポテンシャル採用では、まだビジネスパーソンとして経験が浅いにもかかわらず、入社後に十分な教育資源が与えられない可能性が高いということです。

 

一般的に、多くの企業では新卒採用者をOJTやOff-JTを交えながら1~3年程度かけて一人前のビジネスパーソンに育てていくと言われます。しかし、第二新卒はそのような長期的な教育を受けたり、十分な仕事経験を得る前に退職している場合があります。

それでは、彼らが第二新卒のポテンシャル採用として転職をして入社した場合に、前職で十分に教育を施されなかった分の教育資源を配分されるのかというと、おそらくそうはなりません。

 

多くの企業では中途採用者を「即戦力」として採用します。少なくとも、彼らが配属された職場ではそのような扱いで迎えられる可能性が高いでしょう。

当然、その会社の新卒採用者と同じような手厚い教育を受けたり、長い目で成長を待ってくれるということも少ないのではないでしょうか。

 

 ▼

 

すなわち、

第二新卒のポテンシャル採用で採用されると、まだ十分な教育を受けていないかつ仕事経験を積んでいない状態で、普通の中途採用者と同じ「即戦力」としてのはたらきを期待されるかもしれません。

十分な能力や経験があっても、転職後に即戦力として成果を上げることを難しいとされています。例えば、立教大学の中原先生の『経営学習論』や甲南大学の尾形先生の2017~2018の一連の中途採用者研究でも「即戦力」というラベリングによって中途採用者に困難をもたらすことが示されています。

そのため、十分な能力や経験すら持たない“ポテンシャル”である彼らが新しい組織に適応し、定着し、成果を上げていくことは相当難しいことが予想されます。

 

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今日は昨今の人手不足に起因する第二新卒のポテンシャル採用について考えました。

第二新卒のポテンシャル採用には、能力や経験が不足した中で「即戦力」として入社するという困難な道が待っている可能性があります。

第二新卒の求職者は採用プロセスの中で十分に入社後のキャリアや教育プランなどについて十分に確認する必要があるかもしれません。

また、採用する側の企業は第二新卒のポテンシャル採用をただの人手不足対策の即戦力採用として行うことの危険性を考慮し、採用者の能力や経験に応じた対応が必要になるかもしれません。

 

ああ、学ばな。。。