※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20200319:リモート環境下での新人受け入れ&組織社会化(組織適応)していくために知っておきたい「組織社会化戦術の2つの側面―制度的戦術と個人的戦術―」

 

 こんにちは、高橋です。

 

 今日は【勝手に組織社会化研究室】です。

 月曜日と火曜日で【勝手に組織社会化研究室】として、

 新型コロナウイルスの感染拡大により長期化が予想されるリモートワーク環境下での4月以降の新人受け入れについて、

 「組織社会化」の知見を元に、リモート環境での新規参入者の組織適応に関して注意すべき点について、またその対策としてどのようなことが考えられるのかということを書いています。

 

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 月曜日のブログでは、次のようなことを書かせていただきました。

 「新しく組織に参入した者が、その組織の目標に基づいた役割や価値観、技術などを獲得していくプロセス」である組織社会化の3つの側面とは、

・職業的社会化

→仕事に必要な知識やスキルの獲得すること。仕事自体をこなしていくために重要。

・文化的社会化

→組織の価値観や規範を学習すること。仕事自体というよりもそのプロセスやコミュニケーションにおいて重要。

・役割社会化

→他者や組織から求められている役割を理解すること。求められる成果を出していくためにも役割の把握が大切。

 

 この3つの側面の中でも、【文化的社会化】と【役割社会化】の2つはリモート環境で行いにくいタイプの社会化プロセス。

 なるべくオンラインコミュニケーションを活発にすることで、文化的社会化を促すことができるかもしれない。

 指導者―被指導者の関係にある人たちの間でしっかりと対話する時間を設けることが役割社会化を促すために重要。

 

 以上が月曜日のブログの内容のまとめです。

 元記事はこちら▼

 ※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20200316リモート環境での新人受け入れで注意すべき「組織社会化」の3つの側面:文化的社会化と役割社会化に注意した受け入れが大切!?

 

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 火曜日のブログでは、次のようなことを書きました。

 リモート環境下で仕事をする中での重要なコミュニケーション手段であるソーシャルメディア。

 そのソーシャルメディアの利用において、リモート環境下での新人受け入れで意識すべき点は何か、ということをある論文から紹介しました。

 そして、ソーシャルメディアの社交的な利用は、次のような点に有効な可能性があることをお伝えしました。

 

・組織的文化についての知識の獲得

・組織における社会的受容

・情緒的コミットメント

 

 

 そのため、コロナウイルスによるリモート環境下での新人受け入れにおいて困難になる【文化的社会化】の側面について、ソーシャルメディアの社交的利用は有効な対策となるかもしれません。

 例えば、最近はやっているZoom飲み会といったものも有効かもしれないし、組織内で同じような趣味趣向を持った者同士での雑談もソーシャルメディアの社交的利用として文化的社会化に有効なものとなるかもしれないですね。

 

 以上が火曜日のブログの内容のまとめです。

 元記事はこちら▼

 ※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20200317:リモート環境下での新人受け入れはソーシャルメディアの社交的利用が重要!?リモートでは困難な「文化的社会化」を促すソーシャルメディアの使い方とは何か。

 

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 今日はまた、「組織社会化」の基本的知識に立ち返り、リモート環境下での新人受け入れにおける困難とその対策について考えてみたいと思います。

 月曜日は組織社会化の3つの側面というものを取り上げましたが、

 それらは、組織社会化によって行われる「社会化される部分」に特に光を当て、社会化によって学習すべきとされる内容の違いから分類がされていました。

 それが、【職業的社会化】であり、【文化的社会化】であり、【役割社会化】でした。

 

 しかし、組織社会化をまた違った側面から分類することがあります。

 この分類は組織社会化が現象として起こる、あるいはそれを促す方法といった観点から分類するものです。

 

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 基本的に、組織に参入した個人を組織へ適応していくように促すのは、その組織の役割です。

 もちろん、参入者側から積極的に組織へと適応していく「能動的社会化」というものもありますが、

 個人によってばらつきがありすぎる能動的社会化に任せっきりで、組織として参入者が適応していくための支援をしないというのはおかしい話ですよね。

 

 なので、組織は新規参入者が組織へ適応するための支援を行い、組織社会化していくために働きかけることになります。

 この働きかけのことを「組織社会化戦術」と呼びます。

 具体例で言えば、新入社員研修やOJTでの指導、メンター&メンティー制度などもすべて、組織社会化戦術の内の一つと言えます。

 この組織社会化戦術は、そのあり方によって、

 「制度的戦術」「個人的戦術」の2つに分類されています。

 小川(2011)の表を引用して、それを示します。

 

 これが、組織社会化戦術についての理論的枠組みにもとづく分類です。

 制度的社会化戦術について、小川(2011)による説明を参照します。

 文脈的社会化戦術は組織成員が社会化される環境・文脈を照射する。新人が集団として扱われ(集団的戦術)、かつ既存の組織成員とは隔てられた状態で教育を受けるような環境(公式的戦術)である。

 内容的戦術は、組織社会化の過程で伝達される情報の内容に関わる。内容的戦術が制度的である場合、習得すべき役割に至る道筋が明確な段階で規定されており(規則的戦術)その過程を通過する時間的予定が明確に定め伝えられる(固定的戦術)

 社会的戦術は、人的・社会的な相互作用のあり方に関する次元である。社会的戦術が制度的な場合、新しい役割習得のための役割モデルとなる前任者と接点があり(連続的戦術)、しかも新人の所与の特性を活かすような支援的な育成関係が築かれている状況(付与的戦術)を指している。 

 

 逆に、個人的社会化戦術では次のようになります。

 新人が集団というよりむしろ個人として扱われ(個別的戦術)、かつ既存の組織成員と合わさった状態で教育を受けるような環境(非公式的戦術)である。

 そして、学ぶべきものやその手順が必ずしも明確でなく(不規則的戦術)そのプロセスやそのための期間が必ずしもはっきりせず、変化しがちである(可変的戦術)

 自分の組織内での役割を把握するためのモデルが近くにおらず(断絶的戦術)新人を育成するための関係が取り上げられたような状態(剥奪的戦術)

 

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 以上が、組織社会化を促す「組織社会化戦術」の2つの分類です。

 「制度的戦術」と「個人的戦術」の特徴は、

 

 制度的戦術は、すでに体系化された社会化の方法であり、

 個人的戦術は、そのような組織による意図的な介入がない、現場的実践に基づく方法です。

 

 ここで話を本題に戻して、新型コロナウイルスの影響による「リモート環境下での新人受け入れ、組織社会化」という観点から見たとき、どのようなことを注意すべきでしょうか。

 「制度的戦術」と「個人的戦術」という2つのくくりで見たとき、

 特にリモート環境下で行いにくいのは、「制度的戦術」の方だと思います。

 

 文脈的戦術という面では、コロナウイルス感染予防のために、同じ場所に新人を集めて、凝集性の高い組織の中で教育していく、ハコでの新人研修は実施できません。

 もちろん、リモート環境下でWEB上で同時的に教育を実施することもあるでしょうが、そういった時間は通常の新人研修と比べたらかなり減ったものとなるでしょう。

 

 内容的戦術面に話を移すと、こちらについては元々のプログラム内容がリモート環境下での教育内容にしっかりと変換して利用できるような状態を作ることができていれば、それほどの問題は感じません。

 しかし、今回の急な展開の中でその準備が間に合うのかというと、それが不十分に入社を迎える場合のほうが多いでしょう。

 また、リアルで伝えることを想定していたものを、画面を通したものに変換する場合は情報の補足などをしっかりと入れ込まなければいけなくなったりして、内容自体の質的低下の可能性も出てきます。

 

 そして、組織が新人を受け入れる中で人と人とが相互作用しながら、社会的に受容していく社会的戦術の場面では、新人が組織における自らの役割や期待を獲得していくプロセスを、それまでリアルのコミュニケーションで行っていたものから画面越しのやり取りの中で行っていかなければなりません。

 これは、新人側に働きかける先輩や上司が普段からそれに慣れていなければ困難を感じるでしょう。

 これまでは、見渡せばそこにいた新人に、時には短い声かけの積み重ねや自分と誰かとのやり取りを観察させながら学習させていたような部分がずっぽりと抜け落ちてしまうからです。

 新人側から見ても、そこから役割を学ぶべきモデルとなるような人間が常に見えるところで仕事しているのとそうでないとでは、かなりの差があります。

 

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 以上から、リモート環境下での新人の組織社会化という場面では、「制度的社会化」において困難を抱えやすく、また特にその中でも、【文脈的戦術】【社会的戦術】の2つの戦術でリアルで実施していたこれまでとは違った難しさを経験する可能性があります。

 

 いかがでしたでしょうか。

 今週は月曜日から、4月以降の「リモート環境下での新人受け入れ」に関して、「組織社会化」の知見の中から、その難しさや対策について書いてきております。

 今日は、組織社会化を行う方法という観点から2つのアプローチに分類した「制度的戦術」と「個人的戦術」をご紹介しました。

 また、今日はリモート環境下での組織社会化における制度的戦術の難しさについての話で終わってしまい、特に対策めいた話ができませんでした。

 もし、上記したようなことで実際にあなたの組織で難しさを抱えている、抱えそうだという方がいれば、それを認識し、整理して、それに対する打ち手を考えるための知見やきっかけになれば幸いです。

 

 本日もお付き合いいただきありがとうございました。

 それでは!

 

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今日の名言

 

許しとは、踏みにじられたスミレの花が、自分を踏みにじったかかとに放つ香りである。

 

― マーク・トウェイン ―

 

 

 

「大人の学び」7つの行動  

中原淳『働く大人のための「学び」の教科書』

 行動タフな仕事から学ぶ

 行動本を1トン読む

 行動人から教えられて学ぶ

 行動越境する

 行動フィードバック

 行動場をつくる

 行動教えてみる

 

 

 ああ、学ばな。。。

 

 

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