※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20200316リモート環境での新人受け入れで注意すべき「組織社会化」の3つの側面:文化的社会化と役割社会化に注意した受け入れが大切!?

 

 こんにちは、高橋です。

 

 今日は超久しぶりの【勝手に組織社会化研究室】です。

 最近は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、あらゆるイベントやセミナーなどが中止あるいは延期、またはWEBでの開催ということが増えています。

 また、全社的にリモートワークでの業務としている会社で働いている方などは、これまでは毎日顔を合わせてコミュニケーションをとっていた人たちと、1日数十分から数時間、画面越しの会話だけで過ごしているという状態だと思います。

 このような状況はこれからもしばらく続いていくことかと思います。

 

 そんな中で、半月も経てば4月となり、企業には新卒採用者たちが入ってきます。

 聞き及ぶところでは、新人研修のカリキュラムをできるだけリモートで行っていくという企業さんも多いようです。

 新人研修の担当者はこのための対応に追われていることでしょう。

 研修期間は企業によってさまざまですが、業種や職種によっては研修が終わり、配属後もそのままリモートで業務することになるという新人の方も沢山出てくることと思います。

 このように、リモート研修&配属後もリモートのような可能性がある中で、考えたいのが「組織社会化」への影響です。

 

 このブログでは度々登場するキーワード「組織社会化」。

 組織社会化とは、「新しく組織に参入した者が、その組織の目標に基づいた役割や価値観、技術などを獲得していくプロセス」のことを指します。

 組織社会化のプロセスは、一種の「学習」と見なされます。

 そして、組織社会化は、その学習すべき対象の種類によって、次の3つに分けて考えることができます。

 

 

 ・職業的社会化

 ・文化的社会化

 ・役割社会化

 

 職業的社会化とは、

 その組織において仕事を行うために必要な知識や技術を獲得することです。スムーズに仕事を進めたり、実際に成果を出すために重要な社会化プロセスと言えます。

 

 文化的社会化とは、

 その組織の持っている価値観や規範、もっと言えば雰囲気といったもので、その組織に固有な社会的存在を感じ取り、受け止める社会化プロセスと言えます。こちらは、仕事自体というよりも仕事を進めていくプロセスの中で重要な役割を果たすものです。

 仕事の多くは複数人が協力して行うものです。複数の人間がそれぞれバラバラに動いては仕事がうまくいかなかったり、非効率になることがあります。そういった側面をカバーし、円滑な仕事の進捗をしていくために背後で機能しているのが文化的社会化です。

 仕事の内容についての知識や技術の乏しい新人という立場を考えると、まずこの文化的な部分から組織に適応していくことが重要な意味を持つでしょう。

 

 役割社会化とは、

 自分が組織において他者からどのような役割を求めらているのかどんな役割を果たせば周りから評価されるのかといったことを知り、それに合わせた行動をとるようになることです。

 日本の雇用慣行では、入職時にその人の職務上の役割について細かく規定して明示することはありません。また、職務的ではない、文化的な役割やコミュニケーション上の立ち位置などは組織内でのコミュニケーションの中で自然と理解していく部分が多いため、実地で把握していくしかなかったりします。

 

 以上のような組織社会化の3つの側面の中で、

 現在のリモートワーク環境の中で培われにくいと思われるものは、文化的社会化と役割社会化のふたつです。

 一方で、職業的社会化については、そもそもリモートワークが問題ないものなのであれば、リモートでもできる種類の業務が多い仕事だと思うので、先輩や上司との連絡をしっかり取れる環境にあれば、それほど大きな影響はないかもしれません。

 しかし、文化的社会化と役割社会化については、リモート環境では難しい部分が多々あります。

 会社の同じ場所に居て、自分と誰かだけでなく、誰かと誰かの会話やコミュニケーションを観察する中で、この組織で重要視されている考え方やプロセス、また組織全体の雰囲気やノリ、誰がどんなキャラで私はこんなキャラといったもの、などを自然と獲得していくものだからです。

 もちろん、リモートでもテレビ会議や社内チャットでのコミュニケーションの中で得られる情報はたくさんありますが、リアルでのコミュニケーションの持つ情報量には及びません。

 

 そのため、文化的社会化と役割社会化の側面で、これまでの通常の組織社会化とは違った困難を抱える可能性があります。

 会社によっては元からそういう入社プロセスだったよ、というような企業もあるかもしれませんが、今年は数多くの企業が初めての状況を経験することになると思います。

 そのため、もちろん私も、実際にどのような手を打つべきなのかということは明確には分かりませんが、

 文化的社会化への対策としては、リモートで作業していてもなるべくオンラインでのコミュニケーションを活発にして、新人がそれを観察したり、参加しやすい状態を意図的につくるということが考えられます。

 元々リアルでずっと仕事してきた人たち同士では「言わずもがな」的なことであっても、あえてオンラインでしっかりと確認し合うことで、それを見たり聞いたりしている新人にとっては、組織のメンバーについての情報を獲得する重要な機会となると思います。

 役割社会化については、新人と上司、新人と先輩など、指導者―被指導者の関係にある人たちの間でしっかりと対話する時間を設けることが大切だと思います。おそらく、まずは仕事上での期待=役割を伝えることから入ると思うのですが、リアルと違ってマイクロコミュニケーションの中で指導を繰り返しながら、相手に役割を把握していってもらうということが難しくなると思われるので、しっかりと相手への期待や望まれる役割を言語化して伝えること、そしてそれを定期的に確認することが重要なものと思います。

 また、新人側は自分が役割を果たせているのかということが不安になり、それを仕事上の質問などをしながら確認することも多いので、新人側からの質問や疑問をしやすい環境や心理をつくっていくことも重要かもしれません。

 

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 以上、リモートワークが拡がった現在の状況の中で、4月からの新卒採用者を組織に受け入れていくにあたって、

 新規参入者を組織に適応させていくプロセスである「組織社会化」の、とくに職業的社会化、文化的社会化、役割社会化という3つの側面から、予測される困難とその対策について考えてみました。

 「組織社会化」は組織への新規参入者を受け入れ、戦力化していくための重要なプロセスであるとされています。

 新型コロナウイルスによる異常な状況において、いかに新人を組織に馴染ませていくのかということを考えるためにも、改めて「組織社会化」の知見にアクセスして、この状況で予測される困難を確認すべきかもしれないと思って、今回取り上げました。

 そんなわけで、久しぶりの【勝手に組織社会化研究室】でした。。。

 お付き合いいただきありがとうございました。

 それでは!

 

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今日の名言

 

死ぬとは、死を死として能くすることです。死ぬのは人間だけです。動物は生を終えるのみです。動物は、死を死としてみずからの前にも後にも持つということがありません。死は、無の聖櫃です。(『技術とは何だろうか』)

 

― ハイデッガー ―

 

 

 

「大人の学び」7つの行動  

中原淳『働く大人のための「学び」の教科書』

 行動タフな仕事から学ぶ

 行動本を1トン読む

 行動人から教えられて学ぶ

 行動越境する

 行動フィードバック

 行動場をつくる

 行動教えてみる

 

 

 ああ、学ばな。。。

 

 

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