※ブログ更新※あなたのリーダーシップがworkしないのは、あなたと部下のリーダーシップのミスマッチが原因かもしれない!?:「暗黙のリーダーシップ理論」とは何か?

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日の午前中は、立教大学の中原研(大学院のゼミ)に参加していました。

ラーンウェル関根さんやゼミ長である博士課程の辻さんのご厚意で、後期のゼミに毎週参加させていただいております。(ありがとうございます。)

 

先週はゼミ自体がお休みだったので、前回は先々週でした。

前回は私が発表担当だったので、私がやりたいと思っている研究内容について発表させていただきました。

面識のある方やこのブログを読んでいただいている方はどんな内容であるかが少し想像できるかもしれません。

内容としては、中途採用者の組織再社会化が大きなテーマで、中途採用者の組織適応を促す上司行動のあり方というものが小さなテーマです。

 

発表&フィードバックからの気づきとしては、

・私(高橋)自身が本当に明らかにしたいポイント、場所がまだ明確でない

・上司―部下という二項的な切り取り方は実践の場面を考えたときにナンセンスになりかねない

という二つが大きいです。

今後も先行研究の検討や計画の見直しを進めていかなければなりません。

 

 ▼

 

と、

私の発表内容についての話はここまでにして、今日は本日の中原研で学んだ内容について少しおすそわけしたいと思います。

 

今日、英語文献発表を担当されていた伊倉さんの発表内容が興味深いものでした。

担当されていた文献は↓です。

題目:Leadership and Social Networks: Initiating a Different Dialog

著者:Raymond T. Sparrowe

 

本論文は、リーダーシップ理論とソーシャルネットワークの視点を統合したリーダーシップ研究の新しいアプローチを提案しているものとのことです。

また、従来の研究との違いとして、従来のアプローチはソーシャルネットワークの概念を中心に展開するものであったが、この著者が主張するのはリーダーシップ理論に重きを置いたアプローチであるとのことでした。

以上、本論文のザックリした概要となります。

 

 ▼

 

ここでは、この論文の詳しい内容について踏み込んでいくことはありません。

ここで取り上げたいのは、論文の中のキーワードとなっている「暗黙のリーダーシップ理論(Implicit Leadership Theory=ILT)」というものです。

こちらの概念が聞いていてとても面白いと思ったので、こちらで紹介させていただきたいと思いました。

 

この「暗黙のリーダーシップ理論」をまたザックリと説明すると、

「フォロアーが抱いているリーダー像」

のことです。

 

もう少し詳しく説明すると、

フォロワーはリーダーシップを認知するにあたり,リーダーの行動の観察から直接的に認知するのではなく,自身の抱く暗黙のリーダーシップ理論から影響を受けて認知するというわけである。つまり,どのような暗黙のリーダーシップ理論を持つかによって,同じリーダーの行動でもリーダーシップとして認知される場合とされない場合もありうるということである。(小野  2012)

つまり、フォロワーが持っている「リーダーとはかくあるべし」というものが、リーダーのリーダーシップ行動を認知フレームとして機能しているということです。

 

例えば、

「リーダーっちゅうもんは『カリスマ』のことや!強い意志と実行力で周りを巻き込み、引っ張っていく存在こそがリーダーや!」

と考えているA君が居たとします。

この時、彼は「リーダー=カリスマ」という「暗黙のリーダーシップ理論」を有していると言うことができます。

そんな彼に対して、彼の上司(リーダー)が「サーバントリーダーシップ」を発揮して、

「A君、君がやりたい仕事、やる気の出る仕事は何ですか?もしそういうものがあれば、私は君がやりたい仕事を全力で支援し、応援したいと思っています」

と働きかけたとします。

 

ここで、

上司(リーダー)自身は、自分はA君に対してリーダーシップ行動をしていると考えているかもしれません。

しかし、

A君はそれをリーダーシップ行動(あるいはリーダーらしい働きかけ)と思っていないかもしれません。

なぜなら、

A君の持っている暗黙のリーダーシップ理論とリーダーが使っているリーダーシップ理論がミスマッチを起こしているからです。

そして、このリーダーシップ理論のミスマッチが起こっている状態と、マッチングがうまくいっている状態では、リーダーからの働きかけの効果が異なってきます。

 

極端な表現ですが、

「Suicaでタッチ!」のパネルに何度もTカードを押し当てたところで、「ピッ!」と反応してくれないようなものです。

カリスマこそがリーダーと考えている人に対して、いくらサーバントリーダーシップを発揮しても響かない(かもしれない)。

 

また実務的な観点で言うと、

リーダーシップの定義やあり方について、チームや組織の中で個々人がまったく違うものを想定していると、リーダーシップの発揮が難しくなる可能性があると考えられます。

ただ、論文の中でも言及されていましたが、

この「暗黙のリーダーシップ理論」は個々人の内面的・経験的な違いだけでなく、その時間(時期)や場所によって変化するもの、つまりコンテクストに依存するもののようです。

そのため、「暗黙のリーダーシップ理論」はあまりにも多様であり複雑なものであると言えます。

 

 ▼

 

その多様さや複雑さを考慮すると、個々人が抱いている「暗黙のリーダーシップ理論」をあぶりだして、それについて個々に対応するようなことは限りなく不可能と思われます。

そのような困難さを考え合わせると、

チーム・組織の中で「暗黙のリーダーシップ理論」による隠れた弊害・困難を回避していくためには、

1.チームや組織で「あるべきリーダーシップ像」を決める

2.「あるべきリーダーシップ像」を共有する

3.「あるべきリーダーシップ像」に基づいたリーダーとしての振舞いを定義、共有、訓練する

という3つのプロセスを踏む必要があるかもしれません。

 

 ▼

 

今日は、中原研で学んだ面白いリーダーシップへの視点・アプローチについて「おすそわけ」としてシェアさせていただきました。

この研究は研究蓄積自体が少ないようで、また実務レベルでもあまり意識されていない概念・視点なのではないでしょうか。

今後のリーダーシップ研究やチーム研究で注目が高まってくるかもしれませんね。

 

あなたのフォロワーはどんな「暗黙のリーダーシップ理論」を持っていると思いますか?

あなたのリーダーとしての振舞いはフォロワーの「暗黙のリーダーシップ理論」とマッチしていると思いますか?

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回は行動③と行動⑦です。

今日は中原研からの学びをシェアしました。

英語文献発表を担当された伊倉さん、お疲れ様でした。大変勉強になりました。ありがとうございます。

ああ、学ばな。。。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA