※ブログ更新※【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】20191018:ポジティブフレーミングのダークサイドを考える

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】ですが、論文アブストラクトのレビューではありません。

 

私が組織再社会化研究プロアクティブ行動という分野に関心があることはこれまでの投稿でお伝えしてきました。

今日はプロアクティブ行動という概念の中から、「ポジティブフレーミング」というものを取り上げ、そのダークサイドを考えてみたいと思います。

 

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プロアクティブ行動の「プロアクティブ」は「pro-active」ですので、「先に―動く」といったイメージです。

学術的には「先見的で、未来志向で、自律的な」といった言葉を目にすることもありますが、シンプルに「主体的な行動」ぐらいの理解で十分だと思います。

 

組織社会化研究の中で多くの研究蓄積があり、いくつか異なったバージョンがあるプロアクティブ行動ですが、

もっとも多くの研究で使われているものはAshford & Black(1996)によるものです。

Ashford & Black(1996)によるプロアクティブ行動は下記の4つです。

・意味形成(情報探索、フィードバック探索)

・関係性構築

・職務変更交渉

・ポジティブフレーミング

 

今日取り上げるのはポジティブフレーミングです。

ポジティブフレーミングは、

日本語にすると「ものごとを肯定的に捉えること」というとわかりやすいと思います。

 

例えば、

上司から嘘みたいに大量な仕事を頼まれたときに、

それを「乗り越えられない障害」と捉えるのか

あるいは「成長・ステップアップする好機」と捉えるのか

後者がポジティブフレーミングです。

何かしらの困難に直面したとき、それを肯定的に捉え挑戦していくのがポジティブフレーミング的な振る舞いです。

 

皆さんはポジティブフレーマーですか?

 

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一見して、

ポジティブフレーミングは文字通り肯定的で歓迎すべき行動のように思えます。

実際、一緒に働く人や部下がポジティブフレーミングのできる人間であれば同僚や上司は助かるに違いありません。

また、本人にとっても、困難な仕事に主体的に取り組み、それを乗り越えていくことで成長し、周りから高い評価を得るかもしれません。

 

しかし、

一方でこう思ってしまう私がいる。

「あれ、ブラック感が漂ってない?」

 

例えば、

上司:この仕事は全社的にも重要なんだ。作業も多いし、ミスも許されないけど頼むよ。期待しているから。

部下:はい!(よし、大変な仕事だけど、これを乗り越えたら自分を成長させることができるぞ。頑張ろう!)←今月残業100時間

というケース。

 

これ、けっこうあるあるだと思うんですよね。

むしろ、

強いブラック企業はたいていこういったダークなポジティブフレーミングがうまく機能しているのではないでしょうか?

ある種洗脳に近い部分があると思います。

このように、ポジティブフレーミングは主体的に仕事に取り組むことにつながる半面で、自分を追い詰めすぎてしまう可能性や組織にそういったマインドを利用されてしまう可能性があるのではないでしょうか。

 

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今日はプロアクティブ行動のひとつであるポジティブフレーミングについて、そのダークサイドの可能性について考えてみました。

実は、Cooper-Thomas & Burke(2012)が指摘しているように、ポジティブフレーミングは組織社会化への効果性が指摘されている一方で、研究の数が不足しています。

組織社会化研究はそのほとんどが組織にとってハッピーな結果を見つけるためのものがほとんどです。

ただ、今回指摘したように組織社会化の概念の中には、ある種悪用された時の「怖さ」を秘めたものもあります。

私は、ポジティブフレーミングは特にその可能性が高いと思っていたので、今回ご紹介しました。

ポジティブフレーミングはこういったダークサイドからの研究をすると面白い結果が出てくるかもしれません。

 

あなたの組織ではポジティブフレーミングがありますか?

また、そのポジティブフレーミングには「ブラック感」が漂っていませんか?

 

【文献リスト】

Ashford, S. J., & Black, J. S. (1996). Proactivity during organizational entry: The role of desire for control. Journal of Applied Psychology, 81(2), 199-214

Helena D. Cooper-Thomas and Sarah E. Burke (2012) Newcomer Proactive Behavior: Can There Be Too Much of a Good Thing?

  Connie R. Wanberg (ed.) The Oxford Handbook of Organizational Socialization. Oxford University Press. pp.56-77

 

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【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】の趣旨についてはこちら

 

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

―「大人の学び」7つの行動―(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動① タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動② 本を1トン読む

行動③ 人から教えられて学ぶ

行動④ 越境する

行動⑤ フィードバックをとりに行く

行動⑥ 場をつくる

行動⑦ 教えてみる

今回は【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】なので、行動②と行動⑦です。

よし、学ばな。。。

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