※ブログ更新※「第二新卒歓迎」という謳い文句にご注意を!:第二新卒のポテンシャル採用について思うこと

 

こんにちは、髙橋です。

 

現在の社会で「人手不足」が深刻な問題となっていることは周知のことと思います。

このような深刻な人手不足は、二つの視点からの「不足」の掛け合わせによって構成されています。

一つ目が、「絶対数の不足」

二つ目は、「相対的な不足」

 

「絶対数の不足」は生産年齢人口の減少です。

生産年齢人口は15歳以上65歳未満を指しますが、その数は1990年代半ばをピークに1割ほど減少し、現在では約7500万人程度となっています。

また、この減少は今後さらに加速し、2040年くらいには6000万人を切るものとされています。

※生産年齢人口を15歳以上65歳未満ということ自体が今後再考されるべきという話もありますが。

 

「相対的な不足」は求人数の増加によってもたらされます。

働く人、働ける人は年々減少していっているにも関わらず、求人数は特に2015年ごろから顕著に右肩上がり傾向にあります。

この相対的な不足によって人手不足の感がより強くなっているものと思われます。

 

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そのような二重の不足からもたらされた人手不足の中で、「転職市場」は空前の活況に沸いています。

中途採用者において利用されることが多い採用ルートが「人材紹介」です。

人材紹介は企業からの求人要件に合った人材を登録者のプールから選び、企業へ紹介します。その結果、採用に至った場合は初年度年収の3割程度が紹介会社にフィーとして入ってくる仕組みとなっています。

 

人材紹介会社は人を紹介するだけで数百万の売上が上がるので気楽な商売と思われることもあります。

しかし、この人手不足の中では人材紹介会社も紹介するための人材を確保することは容易なことではありません。

 

そのような背景の中で近年増えてきたと思われるのが、第二新卒のポテンシャル採用です。「第二新卒歓迎」といった謳い文句を見かけることも増えてきました。

第二新卒は一般的に新卒入社後に数年で退職した若年求職者を指します。

中途採用をしていて人材紹介会社へ求人を出している会社が本来求めているのは「即戦力」と呼ばれるような人たちですが、その要件を満たすような人材を中途採用市場から確保することはそう簡単なことではありません。そこで、ある種の妥協案といったかたちで、希望するスキルはないが年齢が若い層へまで範囲を広げることになります。

そのため、第二新卒のポテンシャル採用というものが中途採用の対象に入ってくることになります。

 

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ここで問題となるのが、

第二新卒のポテンシャル採用では、まだビジネスパーソンとして経験が浅いにもかかわらず、入社後に十分な教育資源が与えられない可能性が高いということです。

 

一般的に、多くの企業では新卒採用者をOJTやOff-JTを交えながら1~3年程度かけて一人前のビジネスパーソンに育てていくと言われます。しかし、第二新卒はそのような長期的な教育を受けたり、十分な仕事経験を得る前に退職している場合があります。

それでは、彼らが第二新卒のポテンシャル採用として転職をして入社した場合に、前職で十分に教育を施されなかった分の教育資源を配分されるのかというと、おそらくそうはなりません。

 

多くの企業では中途採用者を「即戦力」として採用します。少なくとも、彼らが配属された職場ではそのような扱いで迎えられる可能性が高いでしょう。

当然、その会社の新卒採用者と同じような手厚い教育を受けたり、長い目で成長を待ってくれるということも少ないのではないでしょうか。

 

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すなわち、

第二新卒のポテンシャル採用で採用されると、まだ十分な教育を受けていないかつ仕事経験を積んでいない状態で、普通の中途採用者と同じ「即戦力」としてのはたらきを期待されるかもしれません。

十分な能力や経験があっても、転職後に即戦力として成果を上げることを難しいとされています。例えば、立教大学の中原先生の『経営学習論』や甲南大学の尾形先生の2017~2018の一連の中途採用者研究でも「即戦力」というラベリングによって中途採用者に困難をもたらすことが示されています。

そのため、十分な能力や経験すら持たない“ポテンシャル”である彼らが新しい組織に適応し、定着し、成果を上げていくことは相当難しいことが予想されます。

 

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今日は昨今の人手不足に起因する第二新卒のポテンシャル採用について考えました。

第二新卒のポテンシャル採用には、能力や経験が不足した中で「即戦力」として入社するという困難な道が待っている可能性があります。

第二新卒の求職者は採用プロセスの中で十分に入社後のキャリアや教育プランなどについて十分に確認する必要があるかもしれません。

また、採用する側の企業は第二新卒のポテンシャル採用をただの人手不足対策の即戦力採用として行うことの危険性を考慮し、採用者の能力や経験に応じた対応が必要になるかもしれません。

 

ああ、学ばな。。。

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