※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190830

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190830

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、46,695gでした。

 

中村和彦著『入門 組織開発 活き活きと働ける職場をつくる』光文社新書・・・165g

 

本書は、現在受講中の「ラーニングイノベーション論」における課題図書として読みました。

 

近年の人材育成業界におけるもっともホットな分野のひとつである「組織開発」について、その基本的知識や具体的手法が紹介されています。

著者の南山大学心理人間学科教授の中村和彦氏は、日本における組織開発研究の第一人者です。

昨年は、中原先生との共著で『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』を上梓されました。

 

 ▼

 

今回の「ラーニングイノベーション論」の講義では、アクティブラーニングな演習も交えながら、組織開発とは何か、組織開発を進めていくために必要な考え方などを学ぶ機会となりました。

2日間のセッションだったのですが、所用により2日目に参加できず残念でした。。。

 

1日目のセッションで印象に残った学びは、「コンテント/プロセス」という考え方です。

簡単に言ってしまえば、コンテントはWhatの側面です。具体的に話されていたり、取り組まれているもののことを指します。話題や課題などです。

一方で、プロセスはHowの側面です。本書で説明されている言葉を使えば「関係的過程」であり、お互いの間で起こっているもののことです。どのように取り組んでいるのか、どんな気持ちになっているのかといったものです。

「会議」を例にとれば、会議のテーマや議論の内容はコンテントであり、会議メンバーの感情や問いの仕方やリアクションなどはプロセスにあたります。

中村先生によると、だいたい9割の方はWhatに注意を向けやすい傾向にあるそうです。私もWhat型の人間で、コンテントに目が向きがちなタイプでした。

確かめるのは簡単で、2人以上のグループで何らかのテーマで会話した後に、会話から受け取ったものをWhatとHowに分けて書き出してみるだけです。WhatとHowのどちらが書きやすいかで自分がどちらのタイプなのかがわかります。

具体的な会話の内容(=What)が書きやすい方もいれば、会話のやり取りの過程やコミュニケーションの取り方、感情など(=How)が書きやすい方もいます。前者がWhat=コンテント型であり、後者はHow=プロセス型です。

 

多くの方はコンテント型で思考しているので、コミュニケーションや仕事をする際には仕事の内容に目が向きやすいことになります。その際、プロセスの側面が見過ごされている場合も多く、たとえ有意義なコンテントを扱っている場合であっても、組織におけるプロセスが適切でなければ望ましい結果を得られないということが考えられまます。

 

会議やチームでの仕事がうまく進まない、望ましい結果が得られないという場合は、もしかしたら「プロセス」の側面が見過ごされているかもしれません。そのため、自分自身はもちろん周りの人たちも、コンテントに終始しがちでプロセスへの視点が欠けやすい傾向にあるという自己認識を持つ必要があるのではないでしょうか。

 

自戒を込めて。

 

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今日は「ラーニングイノベーション論」の課題図書を取り上げました。特に本書の内容面には触れず、「ラーニングイノベーション論」のセッションから得られた学びを共有させていただきました。

本書は、タイトルに「入門」とある通り、組織開発について初めて知るという方にも理解しやすいような内容・文章となっています。ただ、「組織開発」という概念自体あいまいな部分が多く、捉えづらいものですので、読んでも良くわからない部分はあると思います。

そのため、もし本書を読んで、「もっと組織開発について知りたい」と思われた方は『組織開発の探究 理論に学び、実践に活かす』を読まれることをお薦めします。こちらの書籍は組織開発について、その源流からたどる大きな旅をしています。なかなか読み応えのたる本ですが、チャレンジする価値のある本だと思います。

 

その他

外山滋比古著『乱読のセレンディピティ』扶桑社・・・198g

 

・・・

 

前回までの総重量46,695gに、今回の165gと198gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は47,058gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

ああ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190829

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190829

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、45,525gでした。

 

村中剛志著『「先読み力」で人を動かす リーダーのためのプロアクティブ・マネジメント』日本実業出版社・・・309g

 

本書は、「プロアクティブ」であることの重要性について扱ったビジネス書です。

 

「プロアクティブ行動」や「プロアクティビティ」については、このブログの【勝手に組織社会化研究室-KOS-LAB-】でも度々扱ってきました。

組織行動論や組織社会化研究の中では、「プロアクティブ」は「積極的な」に近い意味合いで取り扱われていると思います。

例えば、新しく入った組織で、業務に関する情報を求めたり、自分から他のメンバーとネットワークを築いたり、困難を肯定的に捉えたりといったことがプロアクティブ行動として挙げることができます。

 

しかし、「プロアクティブ」は「積極的な」という意味の他にも、「先を見越した」や「率先した」、「事前に行動を起こした」といった意味も持っています。実際、単語を調べるとむしろこちらの方の意味が先に挙げられていることが多いです。

そして、本書では「積極的な」よりも「先を見越した」に近い意味での「プロアクティブ」であることを「先読み力」として取り上げます。

 

 ▼

 

本書では「先読み力」をどのように定義しているのか確認します。

 

起こりうる出来事(問題)を推測・発見する力を「先読み力」、と呼びます。

 

そして、本書では「先読み力」と「プロアクティブ」を分けて考えています。

そのため、上記の「先読み力」の定義とは別に、「プロアクティブ」を下記のように定義しています。

 

推測をもとに1歩先に行動すること(先手の行動)

 

すなわち、「先読み力」を持って、これから起こりうることを推測したとしても、実際に行動を起こさなければ意味をなさないということです。

しかし、次のようにも考えることができます。

たとえ行動を起こしたとしても、そこに「先読み力」が伴っていないのならば、最大の結果を得られない。

 

まとめると、本書は「先読み力」&「プロアクティブ」で行動すること、つまり推測して仮説をもってから実際に行動を起こすことが重要であることを強調しています。

 

 ▼

 

それでは、「プロアクティブ」であることはわれわれにどのようなメリットがあるのでしょうか。

 

本書は、プロアクティブに行動することには次の3つのメリットがあると主張しています。

 

1.自分のために投資する時間を確保できる

1歩先の行動を心掛けることで問題やトラブルを回避でき、時間的に余裕が生まれます。そして、その時間を自分への投資に充てることができます。

 

2.目標を短期間で達成できる

プロアクティブに行動することで問題や課題を短期に解決でき、それはリアクティブ(1歩遅れて)に行動する場合と比べて明らかにリードを得ることができます。

 

3.早いスピードで成長できる

プロアクティブに行動することは単純に問題を回避するだけでなく、むしろ回避できない(ある意味必要不可欠な)コンフリクトに早期に当たることができます。一見時間の無駄に見えるような困難を先んじて経験することが結果的に成長のスピードを上げてくれるのです。

 

 ▼

 

今日は「プロアクティブ」について扱ったビジネス書を取り上げました。

「プロアクティブ」や「プロアクティビティ」は一般書では扱っているものが少ないので、なかなかタイトル検索しても出てきません。

組織社会化研究の論文ではよく読むこの言葉が一般書ではどのように扱われているのか気になったので、本書を読んでみました。

上に書いたこと以外の部分は主に時間術やスケジュール術的な内容が多めのいわゆるビジネス書でした。

 

その他

中沢新一著『緑の資本論』集英社・・・341g

 

ジェリー・ポラス他著、宮本喜一訳『ビジョナリー・ピープル』英治出版・・・520g

 

・・・

 

前回までの総重量45,525gに、今回の309gと341gと520gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は46,695gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

さあ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※定年後嘱託の業務は定年前と変えるべきか変えざるべきかという問題:個々人による受け取り方の違い

 

 

こんにちは、髙橋です。

 

少し前の投稿で、人事がキャリアセンター化していっている現状をお伝えしました。

人手不足の中、定年後嘱託となったベテラン社員をいかに活用するのか、モチベーションを上げるのかということは人事の抱える大きな課題となっています。

特に、定年後嘱託に移行した際に業務を変えるか否かは重要なポイントであり、難しい問題です。

 

100年前なら60歳は老人でしたが、現在では全く認識が違います。

人生100年時代の60歳はフルマラソンで言えば、まだ25キロくらいの位置にすぎません。

“気持ちはいまでもハタチ”というのようなエネルギッシュで溌剌とした方にお会いすることも多いです。

 

一方で、明らかに仕事への意欲が低下していて、あとは年金支給開始年齢を待つばかりといった雰囲気の方もいらっしゃいます。

 

特にどちらのタイプが良かったり悪かったりということでもないと思うのですが、明らかに両者の間に大きな差が存在しているように思います。

 

 ▼

 

そこで考えたいのが、定年後嘱託へ移行した際の業務の変更についてです。

 

定年後嘱託移行時の業務については大まかに二つの道があります。

・業務を変える

・業務を変えない

 

まず、業務を変える場合。

定年後嘱託を機に業務を変える場合、その背後にあるのは給料の減少です。定年後嘱託となった場合、個人差はありますが、年収は半額程度あるいはそれ以下にまで減少します。年収がそれほどに下がってしまったのにもかかわらず、定年前と同じ仕事をしてもらっては申し訳ない、平等性に欠けるといった意味合いで、従前より単純で負荷の少ない業務へ担当を変えるといったことが行われることがあります。一見もっともなことなのですが、その受け取り方はさまざまです。年齢を重ねてもエネルギッシュで仕事への意欲が高い方にとっては、自分の持つ知識や能力を発揮する場所が失われることになり、むしろモチベーションをダウンさせてしまう可能性があります。逆に、定年前からすでにモチベーションが低下していた方にとっては願ったり叶ったりなこととして受け取られます。

 

次に、業務を変えない場合はどうでしょうか。

年収が大幅にダウンした中でも定年になる前と同じ業務をこなしている場合、元々モチベーションが低く、会社への不満を抱きがちな方にとっては一層不満を増すことになります。逆に、定年後も仕事への意欲があり、モチベーションが高い方にとっては自身の能力を発揮し活躍する場所が確保されることになります。

 

この定年後嘱託の業務を変更するしないというのは組織によって対応が異なります。上記のように、組織というよりも個人の性質によってその受け取られ方が変わってきてしまうと思われるので、難しい問題です。

だからといって、個人の要望をそれぞれ受け入れて柔軟な対応ができるかというとなかなか簡単にはできないでしょう。

次善の策として、業務を変えずに量を減らすという手法が考えられます。会社にとっても本人にとっても能力の活躍の場を維持することができ、モチベーションが低い方でも業務量が減れば不満は抱きにくくなるかもしれません。ただ、個人にかかる業務量の調整ができない業務や業界もあるので、会社によって向き不向きはあると思いますが。

 

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今日は定年後嘱託の業務を変更すべきか否かという問題について書きました。

ただ一方で、、、そもそも現代においては定年制自体がナンセンスだというような議論もありますので、今日書いた問題は将来的には何の意味も持たないものになっているかもしれません。個人的には早くそうなったほうがいいとも思います。

 

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190827

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190827

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、45,215gでした。

 

角井亮一著『物流がわかる』日経文庫・・・139g

 

この何とも言えない感じの表紙といえば「日経文庫」。

時々買うけどそれほど面白いものに出合ったことはないです。笑

だからいつも中古で100円とかで買ってます。

 

いつも思うのですが、この表紙、このタイトルで誰が買うのでしょうか?

 

批判したいとかではなく、純粋な疑問として思ってしまいます。

よくよく考えてみて、思い浮かぶのは「○○がわかる」の○○の業界に行きたいと思っている就活生とかに売れるのかなと思ったりします。

 

この種のシリーズはタイトルも結構ザックリで、「○○業界の全体がカバーできる一冊」的な売りなんだろうと思うが、そういうつくりで本の内容を構成すると、読む側としてはぼやけた印象をどうしても抱くので、読み進めるのが辛くなってしまうと思う。しかもそれが専門書ではなく、新書であるのがまたつらい。新書と油断して、あるいは読みやすさを期待して手に取ったときの裏切り感がけっこうえげつないものがあると常々思っている次第です。

ここまでけっこうネガティブなことばかり言ってきてしまいました。

 

ただね、いいところもあると思っているのです。

それは、「まじめ」で「ていねい」なところ。

ただ、そのいいところにも表と裏があって、本の持つ「まじめさ」や「ていねいさ」はプラスにもマイナスにも働くといつも思います。

プラス面について言うと、情報が詳細であり、その分野の知識がない人でもわかるように話の前提となる言葉をしっかりと解説して進んでいくので理解のとりこぼしをしにくい。また、文章の調子がニュートラルであり過激な表現もないので、広く多様な人に受け入れられやすい。

このようなプラス面がある一方で、読者に伝えたいことを絞っていないことにより、ぼやけた印象で読み進めにくい。細かく前提知識から説明していくので、その分野をかじっている人には既知のものが多く、新たな発見や刺激が少ない。このようなマイナスの側面もあるように思います。

 ▼

・・・などと、つらつら本書の内容とは無関係のことを書いてきてしまいましたが、読んでいて一番驚いたのは、下記の話。

原田泳幸・日本マクドナルドCEOは「1秒早く商品を提供すれば8億円増収になる」といっています。

有名な話なのかもしれませんが、私はこの本で初めて知りました。

8億円ってのはすごいですが、マクドナルドほどの規模になるとそれほどレバレッジが効くんですね。もちろん、その逆もまたしかりということなのでしょうが。

 

ここでは、「1秒早く」ということがマクドナルドにとっての優位性となるわけですが、「優位性」というものについては二つのタイプがあり、本書でもその区別が紹介されています。

一つ目が、コスト優位性。

物流業界を例にとると、1件の出荷にあたりコストを対売上で1%下げることができた場合は、1%の増益または1%の値下げが実現可能となります。増益によって投資にまわしたり、値下げにより他者に対する競争優位を得ることも可能となります。

二つ目が、サービス優位性。

営業所の荷物受付時間が他社よりも長いとか、納品ミスが少ないとか、あるいは顧客への丁寧な説明が即座にできるといったことが当てはまります。こちらのサービス優位性は、コスト優位性のように直接財務的なプラスを生み出すわけではありません。サービス優位性を持つことで注文(購入)がより多く発生することにより間接的に増収につながるタイプのものです。

 

企業の営業活動における優位性について、物流業界を例にとり二つのタイプを紹介してきました。そして、先ほどのマクドナルドの「1秒短縮=8億円増収」というのがどちらのタイプの優位性になるのかというと、「サービス優位性」となります。つまり、ひとつの商品の注文から提供までの時間を短縮することで、営業時間内に販売可能な上限個数が上がります。こちらがまず1点。そして、加えて1秒短縮したことは待ち時間を短縮したこととイコールなので、顧客満足度の上昇となり将来的な販売増につながります。

 ▼

今日は「○○がわかる」的な本への私の勝手な不満を吐露しました。また、本書は「物流がわかる」という趣旨の本ですが、読んでいて面白かったのは上記の通りあまり物流業界自体とは関係ないところでした。取り留めない文章でお恥ずかしい限りです。

 

その他

齊藤実著『物流ビジネス最前線』光文社新書・・・171g

 

・・・

 

前回までの総重量45,215gに、今回の139gと171gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は45,525gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

ああ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190826

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190826

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、45,008gでした。

 

アミン・マアルーフ著、小野正嗣訳『アイデンティティが人を殺す』ちくま学芸文庫・・・107g

 

本書の著者であるアミン・マアルーフはレバノン出身の作家であり、ジャーナリストです。祖国での内乱をきっかけにフランス、パリに移住して活動しています。移住当初はジャーナリストとして活動していましたが、その後は創作活動にシフトしました。

 

本書の大きなテーマのひとつは帰属意識です。

古来より、人間は集団への帰属によりアイデンティティを獲得してきました。そして、そのような帰属に基づくアイデンティティを持つことが、異なるアイデンティティを持つ人間や集団との間で摩擦を引き起こし、戦争へと歩を進めさせ、人を殺してきたのです。

上記の通り、著者であるマアルーフは戦争によって祖国を逃れた越境者です。その後、さまざまな国、言語、文化を触れ合いながら活動してきました。そんな彼にとって、帰属や境界は可視的なものでした。

そして、世界がグローバル化し、科学技術があまりにも高度化した現代において、国対国、つまりアイデンティティ対アイデンティティの衝突は生命への多大な脅威となります。

タイトル通り、「アイデンティティが人を殺す」のです。

本書でマアルーフはこのような新しい<脅威のある>時代にとってどのようなアイデンティティのあり方がよいのかを模索しています。

 

心の傷としてのアイデンティティ

「目には目を歯には歯を」はハンムラビ法典の有名な句ですが、マアルーフも「復讐」が戦争のきっかけとして機能することを考えています。

傷つけられたコミュニティのそれぞれに煽動者が現われるのは自然の流れでしょう。怒りからか計算ずくか、煽動者たちは傷を癒してくれるような過激な発言をします。他者に敬意を懇願してはいけないと彼らは言います。それは借金をするようなもので、むしろこちらから経緯を要求しなければならないのだ、と。彼らは勝利や復讐を約束して、人々の精神を鼓舞し、深い傷を負った仲間たちがひそかに夢見ていたかもしれない極端な手段に訴えることもあります。かくして、いつ戦争が起きても不思議ではない舞台が整うわけです。

実際の戦争では、「目には目を」というようにはいきません。返り討ちにあったり、逆に「やられたらやり返す、倍返しだ」となることもあります。

マアルーフはそのような戦争を準備する舞台装置を「心の傷としてのアイデンティティ」と呼びます。

先祖よりも同時代の他人

戦争は歴史を作ります。

むしろ、世界の歴史は戦争の歴史といってもいいかもしれません。

戦争は断続的に長期に及び、数世代にわたって互いに憎み合うことも珍しくありません。

「先祖の仇め!!」といった具合に。。。

その時、次のようなことを暗黙に考えているのかもしれません。

私は私の先祖とアイデンティティを共有していて、敵は敵の先祖とアイデンティティを共有している、と。

 

しかし、本当にそうなのでしょうか?

マアルーフは歴史家のマルク・ブロックの「人間はもはや彼らの父親の息子というよりは彼らの時代の息子なのだ」という言葉を引用します。

じじつ、私たちはみな、自分の先祖よりも自分の同時代人のほうがはるかに近いのです。

確かに、そうです。

実際、我々は数世代前の先祖よりも同世代、もっと言えば同年代の他人と同じような生活をしています。

 

例えば200年前の自分の先祖がどのような生活を送っていたのか。

考えてもなかなか思い浮かんできません。

そもそも知りませんし、知ろうとすれば書籍やネットの情報から推測することになるでしょう。

 

しかし、例えば同い年のブラジル人がどんな日常生活を送っているのかを想像してくださいと言われたらどうでしょうか。

こちらは結構思い浮かびそうですよね。

というか、直接聞けるし、つながれます。特に、インターネットやSNSでグローバルに人と人がつながった現代では、遠く離れた場所に住んでいる他人が自分と同じものを見たり聞いたりしているのは普通のことです。

 

このように考えると、「自分の先祖よりも自分の同時代人のほうがはるかに近い」というマアルーフの言葉はとても説得的に感じられます。

では、戦争という衝突へ導くアイデンティティはどこから来るのか。アイデンティティを基礎づける帰属意識は何に拠っているのか。

本書において、マアルーフはそのカギを「言語」と考えています。

もちろん、言語を同じくする集団との間で争いが起こることもありますが、主要な戦争、世界的に重要な対立は異なる言語を持つ集団の間で繰り広げられています。

じゃあ、英語のような言語が世界言語となって、世界中の人がひとつの言語を使うようになればいいのかというと、マアルーフはそのように考えていません(まあ、無理ですしね)。マアルーフは、言語を使用する権利を守り、言語の多様性を強固にして、生活の中に定着させることが重要だと考えています。

やはりここでも「多様性」のようです。

一見理念的で実現不可能な話のように思えるかもしれませんが、私は割とリアルな気がします。なぜなら、現実の流れに逆らっていないと思うからです。マアルーフの描く多様性のある調和のとれた世界は、今以上にグローバル化していった世界のように感じます。実際、世界はこれからもさらにグローバル化していくでしょうし、言語の違いを乗り越えるためのテクノロジーもより一層普及していくと思われます。

 

今日は、言語の多様性を世界の調和へのカギと考えるマアルーフの考えを取り上げました。本書でのマアルーフのアイデンティティへのまなざしや分析は非常に示唆に富んでいます。また、それらがマアルーフ自身の内戦という原体験につながっていることでより説得力を持っているように思われました。

 

その他

メチニコフ著、宮村定男訳『近代医学の建設者』岩波文庫・・・100g

 

・・・

 

前回までの総重量45,008gに、今回の107gと100gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は45,215gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

よし、学ばな。。。

 

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190823

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190823

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、42,989gでした。

 

平本宏幸著『人材争奪 世界基準のタレントを確保する』日本経済新聞出版社・・・265g

 

本書が発売されたのは7月19日で最近です。

定期的にアマゾンや楽天ブックスで、いくつかの興味のあるキーワードで検索&新着順するのですが、最近「人材」をキーワードに検索すると、人材確保系や採用系の新刊が特に多い気がします。出版の傾向も世間的な人手不足を反映しているのでしょう。

 

新卒採用市場は3~4年前から売り手市場、超売り手市場となっております。

ある程度積極的に就活している学生であれば、複数の内定をもらうことは普通です。そのため、一定以上の人数の採用を計画している企業では内定辞退を見込んだ採用活動をしなければなりません。

学生の就活難易度と企業の採用難易度はトレードオフの関係といえます。

買い手市場の時は学生たちは就活で苦しむが、企業側にとっては多くの受験者から自社に適した人材を選びやすく、計画人数を確保しやすく内定辞退率も低くなります。そして、売り手市場の時はその逆になるでしょう。

現在は売り手市場です。

採用担当者は「不」を抱えており、ビジネスの場面では、「不」=「需要」となりえます。

今話題となっている、リクナビによる内定辞退予測データ販売の問題には、そのような背景があります。

 

本書の著者である平本氏は、ウイルス・タワーズワトソンにてタレントマネジメントや後継者計画、リーダー開発支援などを手掛けている人事コンサルタントです。高レベル人材に関わる人事課題に取り組んでいる経験から、本書では特に優秀層の人材確保に向けた企業の競争状況について報告しています。加えて、確保した人材のタレントを維持、向上させるための制度や施策についても言及し、将来的な人材マネジメントのあり方について展望しています。

 

高まる「心理的安全」の重要さ

最近、人事パーソンから聞くワードとして増えてきた感があるのが「心理的安全」です。平本氏は、アップルやネットフリックスの職場環境整備やそこへ込めた社員へのメッセージといった積極的な取り組みについて言及し、社員の心理的安全をつくることの重要性を強調しています。

そして、平本氏はそのような取り組みがうまくいっている企業をただ真似するようなやり方をよしとしません。

他の会社がやっているから真似する、ということではなく、むしろ「自分たちが大事にしているのはこれだ」、ということをはっきりと示して徹底していることは、人材争奪の真っ只中にいる企業が本当に実現したいことが何か、そして優れた人材がその高い報酬の「先」に何を大事にしているのかを、雄弁に物語っています。

 

「創造性」を持つ人材が求められる時代のキャリアは「自律性」を前提とする

平本氏は今後のビジネスシーンにおいて最も価値を生むタレントは「創造性」であるということを示唆しています。創造性を持った人材により高い価値を置くというスタンスは、すでに一部の先進的な企業では常識となっています。今後のAIやロボティクスの進化や拡大によって、企業の必要とする人材像も需要の高いスキルも変化します。しかも、単にAからBへ変化するというのではなく、多様に変化し続けるものと考えるべきでしょう。(このような将来のビジネス環境への視線は昨日のブログで紹介した山口周氏の考え方とも共通しているように思います。)

また、そのような不確実性の高い現在のような状況では、個人のキャリア、仕事人生を企業が面倒みるという旧来型の考え方は合いません。平本氏によれば、特に優秀層の人材に対してはそのようなアプローチは合っておらず、むしろ自律的にキャリアを選択させるべきとのことです。

争奪の対象になる人材に対しては、「自分のキャリアは自分で考えさせ、選ばせる」という、極めて自律した考え方が前提となっていることも特筆すべき点です。長期的で明確なキャリアパスを示すよりも、自分で考え、探し求めさせることで自己決定しているという意識を持たせると同時に、変化の激しい事業環境において、会社が長期的なキャリアパスを示すことが必ずしも合理的でなくなってきたという背景が示唆されます。

 

キャリアの自律性を求めることで生じる世代間格差

特に、上記のキャリアの自律性については現在そして今後の日本企業で重要な人事課題となるでしょう。問題は同じ組織の中にキャリアへの意識が大きく異なる人々存在してしまうことから生じます。今の20~30代、そしてこれから社会人になる人たちはキャリア自律の考え方をすでに持っていますし、いまは持っていなくてもこれから自らを変化させていく時間があります。

しかし、40~50代の社員に今からキャリアの自律性を求めることは彼らにとってはあまりにも酷な話となります。ほぼドッキリといってもいい。彼らが就職した時代には会社(特に大手企業)は「社員の一生を面倒みる」存在であると思われていました。それから数十年が経ち、状況は一変しています。経済は成長から成熟へ移行し、企業は産業構造や事業環境の大幅な変化に追われています。結果として、変化への対応のために人材のリストラクチャリングを進める企業が増えていきます。早期退職募集や役職定年の早期化などによって選別され、彼らが見てきた先輩方の姿とは全く異なるキャリアを歩まざるを得ない人たちが増加します。

自社のキャリアマネジメントについて、企業は選択を迫られるのではないでしょうか。

若い世代に合った自律的キャリア観?

ミドル&シニア世代に合った旧来型キャリア観にもとづいたケア?

あるいは、それぞれの世代に合わせたハイブリッド型?ただ、それは同時にダブルスタンダードでもあり、またそれぞれの世代が企業側が想定したキャリアを選択するのかは個々のレベルでは予測不可能です。

 

現在の状況下では企業が社員にキャリアの自律性を求めることは世代間格差を生じさせると思われます。今後、企業によるキャリア支援の難しさや複雑性は増していくのでしょう。

 

ブログ100投稿!

本日は、超のつく人手不足といわれる現在の人材争奪状況と、将来的な人材マネジメントのあり方について扱った本を取り上げました。

今日は暗い感じのお話で終わってしまいましたが、このブログを始めて100投稿目でした。まだまだ拙い内容ですが、「継続 is Power」で頑張っていきたいと思います!

 

その他

育て上げネット編『「働く」ってなんですか? 働けなかった僕が働けるようになってからわかったこと』・・・207g

 

 

TOブックス編集部編『ザ・ヒント』TOブックス・・・401g

 

 

奥出直人著『デザイン思考と経営戦略』NTT出版・・・419g

 

 

福原義春著『だから人は本を読む』東洋経済新報社・・・313g

 

 

ジョン・コッター著『ビジネス・リーダー論』ダイヤモンド社・・・414g

 

・・・

 

前回までの総重量42,989gに、今回の265gと207gと401gと419gと313gと414gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は45,008gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

さあ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190822

※ブログ更新※【行動②本を1トン読む】20190822

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日は【行動本を1トン読む】企画です。

今回も読んだ本の重量を追加したいと思います。

ちなみに、(2019年1月1日~)前回の投稿までの総重量は、40,944gでした。

 

山口周著『仕事選びのアートとサイエンス 不確実な時代の天職さがし』光文社・・・191g

 

本書の著者である山口周氏は、今最も出版社のビジネス書担当が自社で書籍を書いてほしいと思っている作家だと思います。

なにせ売れています。

最近では、出す書籍すべてが話題書となっているのではないでしょうか。

なかでもベストセラーとなった『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』はビジネス界での注目は高まるばかりです。

この本は2017年に出版され、私はたまたまその直後に読んでいたのですが、その頃は今ほどの話題ではありませんでした。発売から、半年~1年くらいの間にどんどん注目が集まっていったように感じています。

 

山口氏は今年の1月までは、コンサルファームであるコーンフェリーのシニアパートナーとして人材育成やリーダーシップ育成などのコンサルティングをされていました。

大学と大学院で哲学・美術史を専攻していた経験を生かし、サイエンスやロジックだけでは解決できない現代の複雑なビジネス課題に対し、アートの視点からアプローチする考え方を推奨しています。

 

山口氏の著作には、哲学や社会学の学説についての話が挿入されていることが多く、哲学書や社会学書をよく読む私はいつも興味をそそられます。山口氏は、これからのビジネスには人文科学が重要な役割を果たすということを確信しておられるように思います。

 

・・・

 

本書は、元々は2012年に『天職は寝て待て』というタイトルで出版されたものの改訂版として再度世に出されました。改訂版を出すことになった要因は、①AIの台頭、そして②寿命の伸長と事業の短命化です。

AIがビジネスシーンで実装されていくに伴って、多くの人がこれまでとは違った仕事をすることになります。また、人生100年時代と言われる現代では仕事人生が長期化し、また事業の短命化によって一つの企業などに居続けることは難しくなっていきます。

 

そのような現在、そして未来にとって、働く人は何かしらの「天職」を見つけていくことが重要となります。

本書で紹介されているクランボルツの調査結果によるとキャリアの80%は「偶然」によって決定されています。

そこで、山口氏は「計画に価値はない」と主張します。

この不確実な時代にあって未来はどのようなものとなるかわからず、またキャリアは偶然によって左右されてしまうので、本人が理想のキャリアコースをもっていようとも、その道を歩めるかはわかりません。

それではどのように自分のキャリアを歩めばよいのか?

山口氏は、フランスの詩人ポール・ヴァレリーを参考にしつつ、次のように言っています。

変転し続ける世の中で、私たちは世界に身を投げ出すようにして、まず「生きる」ことを試みなければならない、そうしなければ何も始まらない。

 

・・・

 

不確定な世界に身を投げ出して自身のキャリアを歩み、「天職」を探していくために、我々はどのような考え方を持つべきなのでしょうか?

 

ここで山口氏は17世紀オランダで活躍した哲学者スピノザの「コナトゥス」という概念を引き合いに出しています。

「コナトゥス」とは、「本来の自分らしい自分であろうとする力」のことです。

つまり、

この世に存在しているあらゆるものは、それ自体として「良い」とか「悪い」ということはなく、その人のコナトゥスとの組み合わせによって決まる

とのこと。

 

・・・

 

本書において山口氏は、この不確実で未来がわからない社会では、コナトゥスによって自分らしいキャリアを築いていくことを勧めています。

将来のキャリアに不安があるという方に本書をおすすめします。自分らしいキャリアを築いていくためのヒントが見つかるかもしれません。ただ、この本の中にその不安を取り除く答えはないと思います。山口氏の意をくみ取れば、その答えは自分自身で試行錯誤して見つけていくしかないのだと思います。

 

最後に、本書で山口氏がもっとも伝えたいメッセージは下記の二つです。

・仕事選びを予定調和させることはできない

・自分をオープンに保ち、いろんなことを試し、しっくりくるものに落ち着くしかない

 

・・・

 

その他、

 

山口周著『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』光文社・・・187g

 

 

杉山光信著『現代社会学の名著』中央公論社・・・181g

 

 

鷲田小彌太著『シニアのための「反」読書論』文芸社・・・158g

 

 

 

鷲田小彌太著『まず「書いてみる」生活』文芸社・・・149g

 

 

吉本隆明著『読書の方法 なにをどう読むか』光文社・・・242g

 

 

中谷・中野著『私が変わればまわりも変わる プロアクティブな生き方へ』三五館・・・268g

 

 

清威人著『スマート・ファクトリー 戦略的「工場マネジメント」の処方箋』英治出版・・・350g

 

 

各務太郎著『デザイン思考の先を行くもの』クロスメディア・パブリッシング・・・319g

 

・・・

 

前回までの総重量40,944gに、今回の191gと187gと181gと158gと149gと242gと268gと350gと319gを加算します。

ということで、(2019年元日~)現在までの総重量は42,989gになりました。

例によって、下記の行動原則にあてはめてみます。

「大人の学び」7つの行動(中原淳著『働く大人のための「学び」の教科書』

行動 タフアサインメント=タフな仕事から学ぶ

行動 本を1トン読む

行動 人から教えられて学ぶ

行動 越境する

行動 フィードバックをとりに行く

行動 場をつくる

行動 教えてみる

今回はもちろん行動②です。今後も1トンを目指して読んでいきます。

ああ、学ばな。。。

 

※ブログ更新※【ベーグル】千葉県の地域情報誌「月刊ぐるっと千葉」さんから取材を受けました。本日8月21日発売です!

※ブログ更新※【ベーグル】千葉県の地域情報誌「月刊ぐるっと千葉」さんから取材を受けました。本日8月21日発売です!

 

こんにちは、髙橋です。

 

今日はベーグル屋のmanana bagelについてお知らせです。

 

先日、千葉県のグルメ情報やお出かけスポット情報などを発信している雑誌「ぐるっと千葉」さんから取材を受けました。

当店の情報が掲載されているのは、本日発売の「月刊ぐるっと千葉9月号」です。

今回号は偶然にもカフェ特集でベーグルとも相性バッチリだったのですが、当店はカフェとしてではなく、県内に新しく開店したお店を紹介する「NEW OPEN」という特集で取り上げていただきました。

 

こちらの雑誌です。↓

(掲載ページの画像はぼかしてありますが、2~3ページめくっていただくと当店の情報が載っています!)

 

↓ ↓ ↓

 

 

 

↓ ↓ ↓

 

当店のおすすめメニューなどの情報がちょっぴり載っています。

千葉県内の書店の他、スーパーの雑誌コーナーで売られております。

もし売られているのを見かけたら手に取っていただけると幸いです!

よし、学ばな。。。

※ブログ更新※「逃げる」なかで成長することの可能性:ハックルベリーフィンはくだりながらのぼる

※ブログ更新※「逃げる」なかで成長することの可能性:ハックルベリーフィンはくだりながらのぼる

 

こんにちは、髙橋です。

 

昨日の投稿では、仙台の母子心中事件を取り上げて、「逃げる」ことの難しさと「わがまま」という美徳についてお話しました。結局のところ、社会から受ける価値を内在化してしまうことで逃げずらくなってしまうから、わがままを美徳と捉える価値転換のようなものが必要かもしれないということです。

 

改めて考えると、「逃げる」っていうのは明らかにネガティブワードとして捉えられることが多いと思います。

ひとはネガティブと自己認識している選択肢を選ぶのはなかなか難しいと思います。

だって、自分に自分で言い訳するのがつらいから。他人に言い訳するのは嘘でもなんでも使ってやればいいけど、自分に自分で嘘をつくことは難しいから、そのつらさを回避できない。

 

じゃあ、「逃げる」ことがポジティブに捉えられるケースってなんだろう?って思うわけです。こういうときに現実世界のかっこいい具体例がスルッと出てくる有能さを私は持っていないので、結局、文字の世界に逃避してしまうわけです。

 

「逃げる」ことがポジティブに捉えられるケースってなんだろう?って考えたときに私の頭に浮かんだのは、マーク・トウェインの『ハックルベリーフィンの冒険』でした。

『ハックルベリーフィンの冒険』はアメリカ文学史で最も重要な文学作品のひとつだと思っていますが、同じ作者が書いた『トム・ソーヤの冒険』の方が有名だと思います。どちらもタイトルにある名前の少年が主人公なのですが、二つの作品の中の世界は共通世界であり、主人公二人は友達同士です。そのため、『ハックルベリーフィンの冒険』にもトム・ソーヤは出てくるし、『トム・ソーヤの冒険』にもハックルベリーフィンは登場します。

わかる人にはわかる例え方をすると、『トム・ソーヤの冒険』が『名探偵コナン』なら、『ハックルベリーフィンの冒険』は『まじっく快斗』というイメージです。笑

 

では、なぜ『ハックルベリーフィンの冒険』が「逃げる」ことをポジティブに捉えるための助けになるのかというと、本作において主人公ハックルベリーフィンは逃げながら成長しているからです。

本作をザックリと説明すると、物語はハックルベリーフィンは養子先にまでやってきたアル中の親父から逃げることから始まります。また、売られる間際だった黒人奴隷のジムを救い、彼とともに川を下って逃げていくのです。そして、川を下る中で様々な悪い大人たちとの騒動に巻き込まれながらも、ジムと協力しながらそれらをくぐり抜けて成長していくのです。

 

この物語において、主人公ハックルベリーフィンは「逃げる」存在です。

何から逃げているのか?

一つ目はアル中の親父です。これはある種「不条理」をあらわしていて、個人とは関係なく降りかかってくるものです。

二つ目は社会的な罪です。当時の社会では黒人奴隷はモノとして売買されており、当然そのジムを連れ立って逃げるのは社会的には罪となります。しかし、本来的には罪ではなく、それどころか正義なわけです。つまり彼は社会的に定められた罪、いわばレッテルに近いものから逃げているとも言えます。

 

ハックルベリーフィンは「逃げる」存在です。

しかし、彼は逃げるなかで成長していくのです。

さらに言えば、逃げるからこそ成長していく姿をマーク・トウェインは描いていると思います。もしハックルベリーフィンがアル中の親父から逃げていなかったら親父からお金をむしられていたでしょうし、黒人奴隷のジムが売られていくのを黙って見ていたら深くこころを傷つけたと思います。

ハックルベリーフィンは逃げることで生き延び、さまざまな困難を乗り越えて成長していったのです。

 

ハックルベリーフィンはくだりながら(逃げる・川下り)、のぼっている(成長する)といえます。

 

もちろんハックルベリーフィンは小説の主人公なので主人公補正がかかっていますが、すくなくとも「逃げる」ことをポジティブに捉えるためのきっかけを与えてくれると思います。

まあ、『ハックルベリーフィンの冒険』は単純に面白いので読んだことない人は是非一度読んでみていただきたいです。実は、子どもよりむしろ大人が楽しめる作品だと思っているのでおすすめです。

 

今日は『ハックルベリーフィンの冒険』というマーク・トウェインの小説を取り上げ、「逃げる」ことがポジティブに感じられるための可能性をお伝えしました。

 

私は、「好きな小説は何?」と聞かれたときに秒で思い浮かぶのが、今回の『ハックルベリーフィンの冒険』とドストエフスキーの『罪と罰』なのですが、よくよく考えるとどちらも主人公が逃げる小説です。

どうやら私は逃げるのが好きなようです。。。

 

 

ああ、学ばな。。。

※ブログ更新※お休み明け、気になったニュースについて:「逃げる」ことの難しさと「わがまま」という美徳

※ブログ更新※お休み明け、気になったニュースについて:「逃げる」ことの難しさと「わがまま」という美徳

 

こんにちは、髙橋です。

 

お久しぶりです。

夏休みというテイで、先週の月曜~金曜は投稿を控えておりました。

今日からまた再開したいと思います。

 

夏休みの間、本を読むだけでほとんどの時間を過ごしていました。

本を読み、プライムビデオで映画を見ては、本を読む。

ただただこれを繰り返していた。

私の傾向として、世の中的に外に出る雰囲気の時は徹底的に内にこもります。

もともとインドア派ではありますが、夏休みとかは余計にインドアになっちゃいます。

ただ、おかげで沢山の本を読むことができ、またちょっと難しい本にもチャレンジできました(そして敗北しました)。

 

 

 

今日は、最近気になったニュースについて書きたいと思います。

 

土曜日の朝、あるニュースに目を奪われました。

2018年11月に仙台で起こった母子心中事件の続報でした。

私は普段ニュースへの情報感度が低いので、このニュースで初めて知りました。

とても悲しい事件です。

 

この事件は、小学校2年生の娘へのいじめが原因で母子が無理心中したものです。母親は娘へのいじめについて学校や教育委員会に対応を求めましたが、十分な対応がとられなかったそうです。

母親が残している記録によれば、母親はいじめへの対応を求めるために何度も学校へ足を運んでいます。このことからも母親は娘を守るために必死だったということがうかがえます。

 

しかし、なぜ母子は死を選択しなければならなかったのか。

色々な意見があると思います。

・いじめをしていた児童たちやその親の教育が悪い

・学校や教委の対応が不十分だったから

テレビやネットのメディアの大部分はいじめ加害者やその親、そして学校や教委の対応に対し矛先を向けています。

しかし、いじめや学校の拙い対応は全国津々浦々、くさるほどありますし、これからもあり続けるでしょう。そのため、非常につらいものがありますが、死を選んだ側の心理そしてその社会的背景に目を向けなければならないと思うのです。

 

ある記事では、子どもをいかに育てるかが自身の評価や存在意義となってまう専業主婦という境遇が母親を追い詰めていったのではないか、と述べられていました。確かに、専業主婦やパート主婦の場合、職場という自分の居場所や評価軸が存在せず、家事や育児が主たる評価軸となります。しかし、家事は内向きでありかつ他者との比較が難しいため、社会的ではありません。一方で、育児はある程度外向きでありかつ他の家の子どもという比較対象がいるため、社会的に評価されると思われがちです。実際には、具体的に評価を受けるのは子どもだけで、親にABCなどがつけられるわけではありませんが、親は擬社会的評価を自作しがちです。また、家庭によりますが、父親が「子どもの評価=母親による教育の評価」と捉える場合もあります。

 

上のような意見はこの事件についての分析として納得できる部分が多いです。

しかし、まだ副次的なものに見えてしまうのです。

このニュースを見たときに私がまず思ったのは、「なんで逃げなかったんだろう、いや逃げられなかったのか・・・」ということ。

何から逃げられなかったのか。

あえて言葉にすれば、「まじめさ」「正解主義」「他者指向」といったものになりますでしょうか。

人間は必然的に社会的存在なので、生きていく中で自分以外の他人、社会からたくさんの影響を受けながら価値観を内在化していきます。それが、「まじめさ」や「正解主義」、「他者指向」といった傾向です。

これらの傾向は、平常時はまことに都合がいいのです。社会のゲームがこれらに基づいてコーディングされているので、まじめに振る舞い、正解を当て、他者とうまくやっていれば高い評価を得られるし、楽できるし、心地よく過ごせます。

しかし、平常時に役立つこれらの傾向や価値観は、異常時には逆の効果をもたらします。異常時とは不条理と言ってもいい。「まじめさ」「正解主義」「他者指向」に基づいて思考していると、どうしても平常時の範囲内でなにかしらの解決ができると思ってしまいます。そのような思考に陥っているときに、「逃げる」という選択をすることはとてつもなく高いハードルがあります。そもそも「逃げる」という選択肢が浮かんでこない場合が多いかもしれません。

最近、そういった悩みに向けて、「逃げること」や「逃げる力」の重要さが投げかけられているのを拝見することが増えてきたなと思います。それによって救われる方もおられるでしょう。しかし、「逃げる」ことが思考に入ってこないひとに「逃げろ」と声をかけても耳に入らないのでは?とも思います。また、逃げた後を考えると、「逃げろ」だけでは救いが少ないような気もします。

 

じゃあ、何と声をかけるべきなんだろう。

私としては、「わがままは美しい」という言葉を送ってみたいです。

この言葉は、19~20世紀のドイツの小説家ヘルマン・ヘッセに由来します。

ヘッセは「わがまま」を「美徳」と言い、愛すべき人間の性質のひとつだと言いました。

「わがまま」は一般的には「悪徳」と考えられます。しかし、「悪徳」とされるのは他者指向モードの時であり、自分指向モードにおいてわがままは「“生きる”への全力」です。人間が自己の生に全力であるという状態は本来喜ばしいことのはずです。だから、「わがままは美しい」と言いたいのです。

 

まじめじゃないかもしれない、

間違っているかもしれない、

自己中心的かもしれない、

でも、わがままであっていい、それは美しいから。

 

今日は悲しいニュースについて話しました。

普段ニュースや時事的な情報に触れていない自分を少し反省。

 

よし、学ばな。。。